Voice
発売日
2016年6月10日
税込価格
794円
(本体価格722円)
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Voice 2016年7月号

今月号の読みどころ

5月26日、27日には伊勢志摩サミットが開催され、27日夕刻にはオバマ大統領が歴史的な広島訪問を実現する。暫くして、安倍総理は消費税増税の延期を発表する。7月10日の参院選挙に向けたシナリオは与党ペースで進む。一方、民進党と共産党は選挙協力や新安保法の廃止に向けて共闘する。「自公対民共」の構図ははっきりしているが、このままのムードで与党圧勝というわけでもなさそうだ。
7月号の総力特集は「安倍政権vs民共」。菅官房長官は巻頭の対談で参院選について問われ、「自民党は27年間過半数を取れていないですからね。そう簡単じゃないと思います。選挙っていうのは、そんなに甘いものではありません」と、選挙の厳しさを説く。政治評論家の屋山太郎氏は、イタリア共産党による政界再編を事例に上げ、「民共共闘が定着すれば民進党の消滅ということになるのは必至」と読み、国民が望むのは55年体制の再来ではなく、新しい保守政党だと未来を見据える。
第二特集は「世界の総崩れ」と題し、今後の国際情勢について論じた。中西輝政氏は中国の南シナ海における人工島の軍事拠点化やロシアのクリミア占領を懸念し、「あからさまな侵略に対し、アメリカと国連は何の歯止めもかけることができなかった」とし、「第二次大戦後の世界秩序の崩壊というべき出来事」だという。長谷川慶太郎氏は欧州の経済危機を念頭に世界経済の苦境を予測するが、伊勢志摩サミットの成功で日本の果たす役割が増大し、「日本を抜きにして世界経済は動かない」と述べる。
ほかにも、竹田恒泰氏は「オバマ大統領の広島訪問は『完全なる和解』への道」とのタイトルで絶賛し、「美しい歴史の1ページとして、日本人と米国人の胸に記憶されるに十分なものだった」とした。また、古森義久氏は「韓国に圧倒される日本の対外発信」との論考で、外務省の事なかれ主義が「強制連行説」の虚構に大手を振るわせていると苦言を呈した。
最後に、今月号より「大型連載小説」として真山仁氏の「プリンス」がスタートする。巻頭のインタビューで「『ハゲタカ』シリーズでは、『お金は人を幸せにできるか』という問いがテーマの一つでしたが、本作『プリンス』では、『民主主義は人を幸せにできるか』を問題提起したいと考えています」と、シリーズを展望する。アメリカの大統領選挙も含め、これからの世界を考えるうえで必読の小説になりそうだ。
公式サイト

今月号の目次

特別インタビュー
民主主義は人を幸せにできるか
真山 仁
20p
プリンス〈第1回〉
プロローグ
真山 仁
22p
総力特集:安倍政権vs民共
長期政権に問いたいこと
菅 義偉vs篠原文也
42p
民共共闘で消滅する民進党
屋山太郎
54p
日本共産党の支離滅裂
拳骨拓史
63p
アベノミクスの「ぬかるみ」から脱せよ
竹中平蔵
74p
特集:世界の総崩れ
「アメリカの外交敗北」の恐れ
中西輝政
82p
EU残留なるか?窮地に立つキャメロン
岡部 伸
94p
サミット成功で高まる日本頼み
長谷川慶太郎
102p
読み物・連載
オバマ大統領の広島訪問は「完全なる和解」への道
竹田恒泰
110p
台湾初の女性総統、難題抱えての船出
迫田勝敏
118p
韓国に圧倒される日本の対外発信
古森義久
126p
老耄座談・お金との賢いつき合い方
渡部昇一
134p
アジアの慰安婦を追跡する
マイケル・ヨン
142p
フィンテックベンチャーが活躍する環境を
柳川範之
150p
高坂正堯の憲法観
森田吉彦
158p
有給休暇でデフレ脱却を
瀧本泰行
193p
17歳からみた主権者教育
岡部凜太郎
201p
熊本地震と他者への想像力
清水 泰
207p
「日本の翼」の真実5
水間政憲
215p



超韓流猫コリにゃん〈第15話〉
八百長天国の国
室谷克実[原案]/諸星惣一郎[漫画]
169p
日本構想フォーラム
デカルトとダーウィンの残した課題
西川伸一
185p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
「贋作」肖像画とTPP
渡辺惣樹
36p
ニッポン新潮流〈経済政策〉
日銀と政府は「臆病の罠」から離脱せよ
飯田泰之
38p
ニッポン新潮流〈生活社会〉
周縁国経済の死を平然と見過ごすドイツ
山形浩生
40p
しぶといやつ〈第7回〉
第二章 合縁奇縁 3
幸田真音
223p
覚醒するクラシック〈第37回〉
無伴奏チェロ組曲
百田尚樹
231p
巻頭言〈第19回〉
反応する
養老孟司
17p
私日記〈第198回〉
ほうとう風
曽野綾子
236p
平成始末〈第79回〉
「東京五輪」の迷走ぶり
山折哲雄
248p
友(アート)を訪ねて〈28〉
岩佐又兵衛
文/原田マハ
8p
凜たる女性〈67〉
木村綾子
撮影/遠藤 宏
11p
Keyフレーズ
時代を斬る!論点

1p
Voiceブックス
編集者の読書日記

244p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

245p
Voiceレター
読者の感想&意見

246p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。