雑誌
歴史街道 2016年5月号
今月号の読みどころ
「私の職務は台湾を治めることであり、討伐ではない」。明治31年(1898)、第四代台湾総督として児玉源太郎が赴任した時から、台湾は劇的に変わります。伝染病が蔓延する未開の地で、児玉は後藤新平を右腕に人々のための統治を行ない、さらに新渡戸稲造ら優れた人材が集結して、衛生状態の改善、交通インフラの整備、産業振興、教育など近代化を進めました。「日本と分け隔てなく、ともに近代化を目指そう」…それが明治の男たちの志であり、さらに八田與一らに継承されていきます。台湾の人々はこのことを忘れず、東日本大震災の際には世界一の支援をしてくれました。今や日本にとって大切な友である台湾、その絆の原点となった明治人の志を探ります。
第二特集は「森可成と鬼武蔵」です。
第二特集は「森可成と鬼武蔵」です。
公式サイト |
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台湾に育つ「義」 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.112 |
清水くるみ |
7p |
総力特集 児玉源太郎と台湾 「明治人の志」が結んだ固い絆
総論 ともに近代化を目指そう…「明治人の志」が台湾に奇跡を呼んだ |
山内昌之 |
14p |
ビジュアル1 若者世代も涙する! 台湾で大人気の「懐日」映画 |
20p |
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ビジュアル2 人々の生活のために…近代化に挑んだ六人の男たち |
22p |
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ビジュアル3 庁舎、大学、百貨店…今も現役の「日式」の建物 |
24p |
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合理主義と廉潔な人間性…「国づくりの達人」が台湾の近代を切り開いた |
中西輝政 |
26p |
元々暮らしていた民族は? 日本以前の統治国は? Q&Aでわかる台湾史 |
河合 敦 |
32p |
年表・台湾の歩みと日本の統治 |
37p |
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私の職務は討伐ではない…その人柄を土匪も徳望家も信頼した ◆児玉源太郎 |
江宮隆之 |
38p |
阿片退治と東京を凌ぐ下水道…苦労人の民政局長、辣腕を振るう ◆後藤新平 |
植松三十里 |
44p |
コラム2 「生物学の原則」を掲げた苦労人の民政長官 |
49p |
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台湾で慕われる日本人 後藤を支えた「台湾鉄道の父」――長谷川謹介 |
片倉佳史 |
50p |
あなたの熱意に打たれた…『武士道』を胸に、製糖業に尽力して ◆新渡戸稲造 |
松田十刻 |
52p |
コラム3 難題に挑み、発展を支えたある実業家 |
57p |
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台湾で慕われる日本人 「六士先生」の会話帳――平井数馬 |
片倉佳史 |
58p |
十年に及ぶ苦難の末、広大な嘉義平野に待望の水が行き渡った ◆八田與一 |
四條たか子 |
60p |
コラム4 台湾電力の父とコーヒーの父 |
65p |
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「日本が明日も元気でいますように」台湾は助け合い、励まし合えるよき友 |
66p |
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台湾の特性をよく調べ、育て上げてくれた日本に感謝しています |
劉得寛 |
70p |
森可成と鬼武蔵 最前線で戦い続けた父子の誇り
稲生、浮野、桶狭間、姉川…信長軍に「攻めの三左」あり |
橋場日月 |
78p |
今こそ殿に報いる時! 宇佐山城を守り、十倍の敵に挑む |
工藤章興 |
82p |
父の武辺を受け継いだ「鬼武蔵」、敵の罠を逆手にとる |
高橋直樹 |
86p |
大河ドラマ「真田丸」特別インタビュー |
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わが「友」家康を支え、悪評を引き受ける…正信の思いを伝えたい |
近藤正臣 |
74p |
連載・ほか
ドゥーリトル日本空襲の内幕 第2回 大統領の日本爆撃計画 |
吉田一彦 |
92p |
我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記 立国篇 最終回 |
海道龍一朗 |
98p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 岩瀬昇 |
114p |
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海外と繋がった佐賀藩士の志を継いで…「江副学園」の名に込めた思い |
江副隆秀 |
116p |
『日本植物目録』の改訂を弟子に託す… 新発見のシーボルト自筆書簡 |
町田明広 |
122p |
甘酸っぱくて後味のキレがいい! 日本酒ブームの原点は江戸にあり |
増田晶文 |
126p |
歴史街道脇本陣 |
131p |
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歴史街道・ロマンへの扉 キトラ古墳 |
林 宏樹 |
134p |
隅田川、上野で「花も団子も」…桜の名所で老舗の団子を味わう |
136p |
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安芸折々 第4回 鞆の浦 仙酔島 |
写真・文 松尾 純 |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。