読者の広場

孫と対局する将棋のひととき

清水典夫

 冬休みに遊びに来た小学三年生の孫が、「おじいちゃん、将棋やろうよ」と、持参したプラスチックの駒を持ち出してきた。最近、児童館で覚え、面白くてしょうがないらしい。
 子どものころは、私も将棋を指したことはあるが、それ以後は麻雀などに熱中してしまい、将棋を指した記憶はほとんどない。それでも駒の動かし方を思い出しながら、孫と対局した。一進一退の末に、王将は詰められてしまった。
 将棋というのは、負けた後はやけに悔しいものだ。翌日は私の方から孫を誘い、再び向かい合った。
 今度も接戦になったが、負けた。孫に「おじいちゃん、将棋は弱いんだね」と、勝ち誇ったように言われた。
 どうも腹の虫が治まらない。孫が帰った後、厚紙に線を引き、将棋盤らしきものを作った。駒も厚紙で切り抜いたが、こればかりはさすがに感じが出ない。デパートから桐箱に入った将棋駒を買ってきた。
 新聞や雑誌に出ている、詰将棋の問題からやってみた。初級の問題でもなかなか手強い。熱中すると頭も痛くなってくる。それでも七手詰の問題くらいだと、なんとか詰めるようになってきた。書店から『みるみる強くなる将棋入門』という本も買ってきた。読み進むにつれ、あれこれの戦法も覚えてきた。
 夏休み、孫がやって来るのが今から楽しみでならない。

(宮城県・71歳・無職)

[編]将棋は脳の活性化に役立つといいます。お孫さんと一緒にその時間を共有できるというのも嬉しいですね。夏休みの対局のご報告を楽しみにしています。


妻への感謝を忘れないでいたい

錦織 浩

 夫婦を支えることばとして「20歳代は愛情、30歳代は努力、40歳代は忍耐、50歳代はあきらめ、60歳を過ぎれば感謝」と、ある本で読んだことがある。
 私は結婚して30年になるが、幸い大きな波乱もなく、仲よく夫婦生活を続けている。歳を重ねるにつれ、夫婦の間には愛情だけでなく、忍耐と努力も必要だということを痛感するようになった。
 昨年の師走、友人の母親の通夜に出席した。彼の話では、父親は50年余り連れ添った妻の最期を看取るまでの3日間、感謝の気持ちを示すかのように手をずっと握りしめ、過ごしていたという。夫婦の絆の深さが伺える話だった。
 夫婦も長くなるといろいろ小さなトラブルは絶えないと思うが、それを乗り越え、お互い助け合うことが必要なのではないだろうか。友人の父親のように、素直に妻に感謝できる夫になりたいと思っている。

(北海道・58歳・会社員)

[編]素直に気持ちを伝えようというご主人の思いに、奥様への愛情を感じます。夫婦はお互い助け合い、思いやってこそ成り立つ関係。その大切さを改めて学ばせていただきました。


「欧羅巴の街角から」を読んで

内 悧

 本誌4月号に掲載されていた阿部泉さんの「欧羅巴の街角から〜パリが好きな一番の理由」。
 パリにはいろいろな魅力があるようだ。雨上がりのパリの美しさや車窓いっぱいに飛びこんでくるエッフェル塔を見上げた時の感動とか……。
 私もパリには4回訪れたが、いつ来てもさまざまな発見があることに、尽きせぬ魅力がある。
 シャイヨー宮から眺めたエッフェル塔や、セーヌ川下りで見るノートルダム大聖堂の威容など、パリを訪れるたびに新鮮な発見がある。
 私は、絵画鑑賞を一番の生きがいとしている。パリにはルーブル美術館やオルセー美術館があり、これらを丁寧に観るだけでも一週間はかかる。パリにはほかにもオランジュリー美術館やマルモッタン美術館、ジョルジュ・ポンピドゥ国立美術文化センター、ロダン美術館など、素晴らしい美術館が無数に存在する。
 今まではツアーに参加して、パリを大急ぎで見て回り、そのためかパリの印象が浅薄になった感が否めない。
 今度はツアーではなく、自分で計画を立て、パリに一カ月は滞在し、市内の目ぼしい美術館をすべて観て回りたい。もちろんルーブル美術館、オルセー美術館も丁寧に。美術館を回るその合間に、パリの美味なレストランも訪れたい。
 最初にパリを訪れた時、食肉市場のあったレ・アール地区に美味しそうなレストランが並んでいたのを記憶している。その辺りにはわりと安価で、気楽に入店できるブッフェスタイルの店が目立った。
 名画と美味しい料理をとことん味わう。そしてパリの魅力をさらに探って「人生意気に感ず」の思いで、充実した老後を送りたい。

(広島県・67歳・無職)

[編]聞いているだけでも美術館の建ち並ぶ美しいパリの情景が、目に浮かんできます。ツアーとは違い、ご自身の計画で訪れるパリの観光は、充実感も満足感もひとしおでしょう。