歴史街道
発売日
2011年2月5日
税込価格
660円
(本体価格600円)
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歴史街道 2011年3月号

今月号の読みどころ

日露戦争の智将といえば、海軍の秋山真之に対し、陸軍では児玉源太郎を挙げる人も多いでしょう。児玉が類稀な軍略家であったことは事実ですが、しかし、彼はそれだけで括れる男ではありません。台湾総督として卓抜した経営手腕を発揮した政治家であり、国際情勢を見据えて、日露戦争後の日本が進むべき道を示すことのできた指導者です。そして国家が危機に直面すれば、いささかも迷わずに我が身を捨て、笑って貧乏くじを引ける人間でした。彼があと十年長命であれば、大正・昭和の日本は全く変わっていたでしょう。現代の「エリート主義」からは決して生まれない国家指導者・児玉源太郎の魂が、日本人に語りかけるものは何かを探ります。第二特集は「江戸はいかにして創られたか」です。

公式サイト
今月号の目次
木霊幻多量
黒鉄ヒロシ
3p
vol.50
この人に会いたい
チェン・ハオ
7p



【総力特集】百年先を見据えた国家指導者 児玉源太郎 明治日本の危機を救ったもの
総論
合理主義に徹し、国家のために火中の栗を拾った真の指導者
中西輝政
14p
ビジュアル1
奇跡の奉天勝利、そして新たな戦いへ

22p
ビジュアル2
衛生、交通、産業振興…台湾の近代化に向けて

24p
「児玉がいれば心配無用」貧困と不遇の中で磨かれた果断の将才
童門冬二
26p
コラム1 
自前の製鉄所を! 欧州視察で知った一流国の条件

31p
将兵を悉く消毒せよ! 欧米が驚愕した徹底検疫と盟友との出会い
高野 澄
32p
コラム2 
愛すべき磊落さと心遣い

37p
同じアジア人として…近代化に臨んだ最強コンビ、台湾に奇跡をもたらす
江宮隆之
38p
コラム3 
「宥和」と「信頼」から台湾の発展は始まった

43p
人生年表・軍人から国家指導者へ! 55年の軌跡

44p
身命を惜しまず! 参謀次長の重責を引き受け、日露開戦に備える
河合 敦
46p
コラム4 
議会解散! 戦争に備えての大芝居

51p
「つけた火は消せ!」激闘の果てに総参謀長が示した幕引きの軍略
秋月達郎
52p
「南満州鉄道は生命線」新天地に描いた構想の先に見ていたもの
松田十刻
62p
ビジュアル3 
大胆シミュレーション! もし児玉があと10年生きていたら…?

66p



高野山奥之院に戦国武将の墓碑を訪ねて 全国の名将編

70p
きまぐれ探検 昭和なスケッチ
第10回 久我山界隈
本山賢司
74p



【特集】江戸はいかにして創られたか―グランドデザインを描いた男たち
第1部
土地開発 神田山切り崩し、町割、五街道…寒村から百万都市へ
中江克己
78p
ビジュアル 
水の確保、街道整備、埋め立て…かくして「大江戸」は生まれた

84p
第2部
水道 市中に水を! 難工事を克服して生まれた「水の都」
中江克己
86p
第3部
町づくり 遊廓、魚市場、伝馬役、地相…江戸の繁栄を目指して
中江克己
90p



第3回 通信エラーが招いた悪夢の序曲
重巡インディアナポリスの悲劇
吉田一彦
94p
第13回
連載小説 我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・CINEMA

112p
この著者に注目!
早坂隆

114p
真実の日米衝突史―その歴史から何を学ぶべきか
最終回 今こそ、サンフランシスコ講和条約に戻る時
渡部昇一
116p
実はこんなにあった! 東京23区古墳MAP

128p
歴史街道クイズ 「戦国検定!」

132p
歴史街道・ロマンへの扉
大阪城
鶴田純也
134p
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒
第8回 秋田県 切りたんぽ鍋
石田 千
136p
続・自転車紀行 シルクロードをゆく
第2回 サマルカンドからブハラへ
長澤法隆(写真・文)
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。