Voice
発売日
2016年4月9日
税込価格
794円
(本体価格722円)
バックナンバー

Voice 2016年5月号

今月号の読みどころ

3月29日、安保関連法が施行された。野党は廃止法案を叫んでいるが、現実に起こっている北朝鮮のミサイル発射にはダンマリだ。朝鮮半島有事にどう対処するのか、しっかり解決策を示してからにしてほしい。一方、お隣の韓国は経済が青息吐息。日本が20年来苦しんでいるデフレに突入したようだ。そのうえ、米軍が進めるTHAAD(終末高高度防衛)ミサイルの導入問題で米中の間で股裂き状態に陥っている。朴槿惠大統領の任期もあと2年弱。4月13日には国会議員の総選挙もある。韓国は果たして変われるのだろうか。

5月号の総力特集はズバリ「危ない!韓国」。反日に血道を上げるあまり、いま起こっている危機に気付いていないのかもしれない。関西大学の李英和教授は「北朝鮮が『新たに北京を核弾頭の照準に加えた』と明言する日はそう遠くない」とまで言い切る。中朝が衝突すれば、韓国にとっていいことは何もない。ところが韓国はというと、THAAD配備交渉に逡巡している。室谷克実氏は「配備交渉がどう進展するか、実際に配備されるのか、わかったものではない。つまるところ、韓国は米国からも中国からも信頼されていないのだ」と手厳しい。石平氏はもっとハッキリと、中国は「自国のアジア支配戦略のために、かつての『属国』だった韓国を駒の一つとして使おうとはしているが、韓国のために何かをしてあげようとする考えは微塵もない」と。韓国は朝鮮半島の危ない未来に対し、どれほど危機感をもっているのだろうか。

第二特集は景気の不透明感を分析した「アベノミクスは死んだか」。安倍総理を支える内閣官房参与の本田悦朗氏は「安倍総理には、消費税再増税は1年や2年といった期間を定めずに『凍結』することをできるだけ早く決断し、国民に『安心してください』というメッセージを送って」ほしいという。早稲田大学の若田部昌澄教授は、「消費税増税を予定どおり実施するならば、アベノミクスは終焉を迎えるだろう」と述べ、いくつかの提言を盛り込んだ。

巻頭では4人の有識者によるシンポジウムを開催し、「桜並木の福島・浜通りを聖火が走る日」を掲載した。NPO法人ハッピーロードネットの西本由美子理事長の言葉が浜通りの深刻さを伝える。「私がいちばんショックだったのは、『あなたたちはそこ(浜通り)に戻って幸せに暮らしてはいけないんです』という意味の言葉をいわれたことです」。シンポジウムからは現場で日々奮闘する人々の問題意識が垣間見える。最後に、屋山太郎氏は最近の田中角栄礼賛の風潮に対し、「田中角栄の増長と妄想」との論考を寄せ、苦言を呈す。ぜひご一読いただき、過去の大政治家への評価を、読者自らが下してほしい。
公式サイト

今月号の目次

巻頭シンポジウム
桜並木の福島・浜通りを聖火が走る日
西本由美子/開沼 博/先崎彰容/石崎芳行
20p
総力特集:危ない! 韓国
「ヘル・コリア」の恐怖
室谷克実
38p
「反中国の怪物」になった金正恩
李 英和
46p
「宗主国」に翻弄される朴政権の悲哀
石 平
54p
なぜモノづくりを低く見るのか
呉 善花
62p
在韓日本人妻を救え
拳骨拓史
70p
日韓合意というデタラメ
ケント・ギルバートvs小浜逸郎
78p
特集:アベノミクスは死んだか
消費税増税は凍結すべし
本田悦朗
88p
世界経済の急変に耐えられるか
齋藤 進
96p
ブラックバイトが教育を食い物にする
坂倉昇平
104p
緊縮では財政再建ができない
若田部昌澄
112p
読み物・連載
戦艦「三笠」の故郷・英バローを訪ねて
岡部 伸
132p
ニセコに学ぶ観光政策
ロス・フィンドレー
140p
リオ五輪を悩ますジカウイルスの脅威
岡田晴恵
150p
空き家と土地の「所有者不明化」
吉原祥子
159p
課題「解決」先進国をめざせ
谷口将紀
185p
民泊到来、問われる日本社会
翁 百合
195p
田中角栄の増長と妄想
屋山太郎
122p
「日本の翼」の真実Ⅲ
水間政憲
203p



超韓流猫コリにゃん〈第13話〉
新安塩田奴隷労働事件
室谷克実[原案]/諸星惣一郎[漫画]
169p
ニッポン新潮流〈国際政治〉
米ソ式「慰安婦調達」システム
渡辺惣樹
32p
ニッポン新潮流〈経済政策〉
これからの労働・雇用を考える
飯田泰之
34p
ニッポン新潮流〈生活社会〉
経歴詐称に怒るほんとうの理由
山形浩生
36p
しぶといやつ〈第5回〉
第二章 合縁奇縁(1)
幸田真音
211p
天あり、命あり。〈最終回〉
天命
江上 剛
219p
覚醒するクラシック〈第35回〉
交響曲第八番
百田尚樹
231p
巻頭言〈第17回〉
脚下照覧
養老孟司
17p
私日記〈第196回〉
トルストイ先生の迷言
曽野綾子
236p
平成始末〈第77回〉
「いやしい」言葉
山折哲雄
248p
友(アート)を訪ねて〈26〉
オーギュスト・ルノワール
文/原田マハ
8p
凜たる女性〈65〉
中澤優子
撮影/遠藤 宏
11p
Keyフレーズ
時代を斬る!論点

1p
Voiceブックス
編集者の読書日記

244p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

245p
Voiceレター
読者の感想&意見

246p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。