頁数/仕様
176ページ / 縦:18.8cm 横:12.9cm
初版
2014年4月
在庫
在庫あり

1分で大切なことを伝えるお母さんの「話し方」

子どもの集中力は1分が限度。言いたいことはギュッと短く、わかりやすくまとめましょう。叱る、ほめる、励ます等、目的に合わせて“しっかり伝わる”話し方を紹介します。
著者(肩書) 内田賢司《話し方研究所代表取締役》
主な著作 『好かれて尊敬されるあの人の聞き方・話し方』(明日香出版社)
編集等
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 幼児~小学生の保護者
頁数/仕様 176ページ / 縦:18.8cm 横:12.9cm
初版 2014年4月

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子どもを育てるのは大変なことです。
毎日食事をつくって食べさせ、お風呂に入れ、さらにお弁当の準備や学校へ持っていくものの用意をし、宿題をチェックして……。
やっと寝かしつけて、朝、学校に送り出したと思ったら、次は洗濯や掃除などの家事が待っている──。
やることが山積みで、とてもじゃないけれど自分のことまで手が回らない……。
そんな忙しい毎日を送っているお母さんがほとんどなのではないでしょうか。

ところが当の子どもは、そんな親の状況などどこ吹く風で、自由に行動します。
いくら言っても言うことを聞かない子どもに、イライラすることもあるでしょう。ついつい、子どもに注意をする、叱る声も荒くなりがちです。
「何度言ったらわかるの!」
「やめなさいって言ったでしょ!」
どんなに強く言っても、また翌日は同じことの繰り返し。
うちの子はなんて聞きわけがないんだろう。こんなに言うことを聞かないなんて、性格が悪いんだろうか、それとも、ものわかりの悪い“ダメな子”なのかしら。
そんなふうに思うときもあるでしょう。

でも、落ち着いて周囲を見渡してください。子どもを叱っている、あるいは怒鳴りつけている親は、あなただけではありません。意外に多いと思いませんか?
みんなそうだから安心していい、というわけではありません。それだけ、親の言っていることは子どもに伝わりにくい、ということなのです。

子どもが言うことを聞かないのは、もしかしたら親の伝え方のせいかもしれません。まずは「自分の言いたいことが子どもにちゃんと伝わっていない」という現実を認識し、どうすればしっかりと伝わるかを考えてみてほしいと思うのです。

子どもが言うことを聞かない場合、多くの親はその原因を考えようとはせず、イライラを募らせます。そして、より強く叱ったり、より厳しい罰を与えたりと、行動をエスカレートさせていきがちです。
親は子どものためを思って叱っているつもりかもしれませんが、そうした場合のほとんどは自分のために叱っています。

たとえば、服に食べものをこぼした子どもに「何やってるの! さっき着替えたばかりなのに、また洗濯しなきゃいけないじゃないの!」
朝、学校の準備をしている子どもに、「さっさとしなさい! みんなとの集合時間に間に合わないじゃない!」
これらは本当に、子どものためを思って言っているセリフでしょうか。
実際のところは、洗濯や着替えの手間を増やされたことを怒っていたり、子どもが遅れることで「だらしない親」と思われるのが嫌だったりなど、親自身の都合で子どもを叱っているのです。

かわいいわが子には、明るく元気で、前向きな生き方をしてほしい、そう願うのは私自身、親のひとりとして同感です。しかし、その親自身が子どもの健やかな成長の邪魔をしてしまっている可能性があるのです。

本書は、いつの間にか自分の都合で子どもを叱り、言うことに従わせようとしていたことに親が気づき、その言い方・考え方を子どもの成長につながるように見直そうというものです。見直す過程で、みなさんが普段子どもに投げかけている言葉が極端に短くなっていないか、あるいは長すぎないか、自分の伝え方をぜひ振り返ってみてください。そのときに、ひとつの目安となるのが「1分間」という時間です。これは、忙しい親がひねり出す時間として、また、子どもが理解できる時間として意識するべき重要な基準です。1分間で伝えるための秘訣は、本書の随所に書かれています。
しっかり親の意思を子どもに伝えることでよりよいコミュニケーションを図り、大事な子どもと素晴らしい絆を築いてほしい、そう願っています。  (「はじめに」より)

【第1章】「伝わらない」のは言い方のせい? 言ってはいけない4つの言葉
1.「~しなさい」は親の意見の押しつけ
・「~してみない?」の提案型に
・子どもの自発性を促す
2.「すごい!」「えらい!」に頼りすぎない
・「できたとき」だけでなく「できている途中」をほめる
・競争と協調のバランスが大切
・成長に応じたほめ方でレベルアップを
3.「~したら、~してあげる」は励ましにならない
・肯定形の条件づけはスパイスになる
4.「いいからしなさい!」は子どもの心の窓を閉ざす
・子どもが知りたがったら、まずは歓迎する
・答える前に子どもの考えを聞く

【第2章】言いたいことは1分間で! 子どもが受けとめやすい3つの伝え方
1.「イメージ力」を上手に使う
(1)子どもが知っている言葉を使う
(2)具体的な例をあげる
(3)説明の中に子どもを登場させる
(4)会話文を盛り込む
(5)レポーターの話術に学ぶ
2.指示するときは明確に ~「ちゃんとする」って何をすること?
3.「積み重ね話法」で段階的に理解させる

【第3章】「伝える力」は「聞く力」から
1.親は最高の聞き手になろう
2.親が伝えたように子どもは育つ
・健やかな価値観を育てよう
3.“今”がダメなら“あと”でいい
4.子どもの本音を引き出す「聞く力」
・沈黙を使う
・質問するときは子どもの気持ちになって

【第4章】しっかり伝われば子どもは伸びる!
1.やる気を高める励ましの3ステップ
・親の思いを押しつけない
〈step1〉現状を認め、ありのままを受け入れる
〈step2〉子どもの願望を聞きだす
〈step3〉具体的な手段を考えさせる
2.「あなたならできる」は逆効果
3.励ますにも準備が必要
4. 失敗したときこそ成長のチャンス 
・大きな失敗ほど冷静に対応する
5.子どもと同じ目線で話す
6.常に「子どもが主役」を忘れない
7.前向きな返答を心がける

【付章】こんなときはどう伝える? 子どもの困った行動を変えるお母さんのひとこと
〈case1〉ゲームばかりする子には
〈case2〉嘘をつく子には
〈case3〉約束を守らない子には
〈case4〉すぐへこたれる子には
〈case5〉兄弟に乱暴をする子には
〈case6〉人のせいにしたり言い訳ばかりする子には
〈case7〉無口すぎる子には