頁数/仕様
168ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2020年1月
在庫
在庫なし

こうして落とす! 女性の内臓脂肪

内臓脂肪がたまると高血圧、糖尿病、脂質異常症、血管障害などのリスクが高まります。本書では内臓脂肪の性差や体への影響、内臓脂肪を減らすヒントなどについて解説します。
著者(肩書) 横山裕一《慶應義塾大学保健管理センター副所長(同センター教授)・医学博士》
主な著作
編集等
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 一般
頁数/仕様 168ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2020年1月

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■メタボを知り、自分を知り、メタボを防ぐ!

現在、日本人では40~70歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人が、内臓脂肪の過剰蓄積が原因であるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、メタボ)またはその恐れがあると推定されています。
女性の読者の中には「女性は男性より少ないのね」と、いきなり安心された方もおられると思いますが、その油断は禁物です。なぜなら、女性も50歳を超えるとメタボ患者が急増し、その後の罹患率は男性に近づいていくからです。
女性は閉経後、それまでの「皮下脂肪型肥満」からメタボの元凶である「内臓脂肪型肥満」へ切り替わるケースが多いのです。
ただの太りすぎだと思っていたら、その中身が知らない間に変わっていた――。
とても恐ろしいですね。
内臓脂肪は「怖い脂肪」です。本当は怖くないのですが、近年人類は脂肪の使い方を間違えて、その結果怖いものになったと考えられます。内臓脂肪が蓄積すると、高血糖(糖尿病)、高血圧、脂質異常症などが起こります。それらの異常は動脈硬化の原因になります。そして動脈硬化が進むと心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる、または命が助かっても後遺症を残す大病を起こします。この一連の流れがメタボリックシンドロームです。
本書は皆様にその危機を回避していただくことを目的に執筆しました。構成は次の通りです。
1章 脂肪とは何か、内臓脂肪とは何か
2章 メタボリックシンドロームとは何か、そしてメタボリックシンドロームの健診の現状
3章 内臓脂肪と女性の関係
4章 内臓脂肪の落とし方のヒント
5章 内臓脂肪と病気の関係

内臓脂肪の危機から身を守ることはあまり難しくないと思います。「食事制限」「体を動かす」そして「寝る」の三原則を守ればよいのです。

しかし、「食事制限! 運動! 睡眠!」と医師や保健師から強要されても、最初は少し生活習慣の改善に取り組むものの、長続きせず、すぐ元の生活に戻り、リバウンドしてしまうことが多いのでは? と思います。その強要が嫌で、保健指導に来るのをやめてしまう方もたくさんおられると思います。
それは、子どもが、親に「勉強しなさい」といわれ、渋々机に向かうも、三日坊主で終わるのと同じです。しかし、彼(彼女)らは興味を持ったことや、少し理解した課題に対しては、親からの「早く寝なさい」という制止を振り切って、夜遅くまで取り組みます。課題(相手)が解り始めるとやる気が出るのです。
さらに、「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」中国春秋時代の兵法家、孫武の金言です。物事を成すには、相手だけでなく、自分のことも知ることが大切です。本書では、万全で長続きするメタボ対策構築のために、相手(メタボ)の説明のみならず、自分を知るためのメタボ健診にも触れてみました。加えて、メタボとの戦い方のヒントも綴りました。何分、拙い筆で、その目的が十分に果たせたのかは不明ですが、少しでも読者の皆様のお役に立てることがあれば幸いと考えています。  (「はじめに」より)

【1章】脂肪について詳しく知ろう――脂肪の基礎知識
・脂肪って何?
・脂肪は何のためにあるの?
・いろいろな脂肪
・皮下脂肪と内臓脂肪
・肥満を表す指標
・洋ナシ型、リンゴ型、バナナ型
・女性と皮下脂肪
・臓器の間の「ヒダ」に脂肪がこびりつく
・内臓脂肪セルフチェック
〈コラム〉「脂肪」と「脂質」の違い

【2章】メタボリックシンドロームと健康診断
・内臓脂肪はなぜ「怖い」?
・メタボリックシンドロームを進展させる3本の柱
・「太りやすい遺伝子」ってあるの?
・「遺伝」と「習慣」どちらが決め手?
・どうなったら「メタボ」と診断されるの?
・特定健診後の流れ
・メタボの診断をすり抜けるメタボがある!?
・メタボの診断と飲酒の関係
〈コラム〉最近注目されるsmall dense LDLコレステロール

【3章】内臓脂肪と女性
・年齢とともに変化する女性の体
・40歳を境に変わる女性の体型
・女性のメタボリックシンドローム 有病率の年齢による変化
・エストロゲンと内臓脂肪
・メタボに対抗するスーパーホルモン
・更年期とメタボリックシンドローム
・更年期以降は生活を変える

【4章】さあ、内臓脂肪を落としましょう
・皮下脂肪より落としやすい内臓脂肪
●始める前に
[TIPS.1]自分の内臓脂肪の状態を把握しよう
●食事編
[TIPS.2]14時間絶食ダイエット
[TIPS.3]夜型生活者の朝食抜きダイエットはやはりダメ?
[TIPS.4]「ゆるやかな」糖質制限ダイエットを推奨
[TIPS.5]軽めの夕食で糖質を制限
[TIPS.6]食事の回数を増やす
[TIPS.7]低GIの食事はダイエットに有益 しかし食べすぎ・早食いには注意
[TIPS.8]飲み物の糖分に注意
[TIPS.9]スープファースト
●運動編
[TIPS.10]運動は歩くだけでよい……かも
[TIPS.11]目標を決めず、できることから
[TIPS.12]生活の中でエネルギーを使う工夫を
●睡眠編
[TIPS.13]睡眠の最初にやってくる深いノンレム睡眠を大切に
[TIPS.14]就寝前の夕食が、最初のノンレム睡眠を妨げる
[TIPS.15]夜のカフェインによる睡眠障害に注意
[TIPS.16]睡眠時無呼吸症候群の治療が肥満の治療になることもある
[TIPS.17]更年期の症状が強い場合は婦人科を受診
●その他のダイエット編
[TIPS.18]コーヒーダイエットの効果は不明
[TIPS.19]チョコレートダイエットは「まぼろし」
[TIPS.20]乳酸菌(特別な製剤)、オリゴ糖、食物繊維の効果は今後のデータ集積が必要
[TIPS.21]糞便移植による夢の肥満治療法が研究されている
[TIPS.22]ダイエットサプリメントの多くはさらなるデータの集積が必要
[TIPS.23]氷河期、原人の生活、1970年代の生活が内臓脂肪撲滅のカギ
〈コラム〉更年期とLDLC

【5章】内臓脂肪と病気
・メタボリックシンドロームと病気
■メタボと直接的に関係している病気
(1)高血圧
(2)糖尿病
(3)脂質異常症
(4)狭心症・心筋梗塞
(5)脳梗塞
(6)脳出血
(7)解離性大動脈瘤
(8)閉塞性動脈硬化症
(9)網膜症
(10)腎症
(11)神経症
(12)脂肪肝
(13)逆流性食道炎・胃食道逆流症
■メタボの先に待ち構える病気
(1)認知症
(2)悪性腫瘍
(3)ロコモティブシンドローム(運動器症候群)・骨粗しょう症