頁数/仕様
192ページ / 縦:18.8cm 横:12.9cm
初版
2015年2月
在庫
在庫あり

言ってはいけない! 親の「ひと言」

感情に任せてつい言ってしまう言葉を、子どもはどのように感じ、成長にどのように影響していくのかを、教育学博士・臨床心理士である著者が、事例や対応策とともに紹介しています。
著者(肩書) 小笠原恵《東京学芸大学特別支援科学講座教授》
主な著作 『発達障害の子に1分でちゃんと伝わるお母さんの言葉がけ』(PHP研究所)
編集等
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 幼児~小学校低学年の保護者
頁数/仕様 192ページ / 縦:18.8cm 横:12.9cm
初版 2015年2月

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わが子をはじめて抱いてどんなことを思いましたか?「元気に育ってほしい」、とか「幸せになってほしい」、はては「いてくれれば、もうそれだけでいい」と子どもの存在そのものが幸せ、と感じた方は多かったのではないでしょうか? しかし、子どもが大きくなるにしたがって、子どもに対する親の期待は高まります。こんなことができるといい、こんな子に育ってほしい、と要求が多くなります。それは、子どもの個性がはっきりしてくるからでしょう。しかし、子どもは親の思うようにはなりません。親とは別の人格をもち、得意なことも苦手なことも違います。考え方や価値観だって、同じだとは限りません。そうなると、つい、ぶつかります。そして、気がつくと、知らないうちに子どもを傷つけ、そのことに自分もショックを受けるようなことがあります。
この本では、子どもを決して傷つけてはいけません、ということを書きたかったわけではありません。生活していれば、どんな聖人君主だって、親子という近い関係ではぶつかります。ぶつかっては修正しながら、親子という独自の関係をつくっていくのだと思います。しかし、傷つけているつもりがなく、親が子どもを傷つけ続けたり、わかっていても子どもを傷つけることが止められないようなことが継続すると、良好な親子関係は成立しなくなります。恋人だったり、仕事仲間だったり、友だちといった関係であれば、いやだったら距離を置けばいいのですが、親子は、逃げ場がありません。子どもは小さければ、受け入れるしかありません。そうすると、その後の子どもの成長に大きな悪影響を及ぼし、ときに家庭のなかだけに収まらない悲劇を生むこともあります。
この本では、言葉を軸にして、どんなときに子どもが傷つくのか、それはなぜか、どうすればよかったのか、ということを紹介しました。言葉は、そのものが力をもちますが、同じ言葉でも状況や言い方、子どもの発達の状況、それまでの関係性によってその意味が異なってきます。ですから、言葉だけが独り歩きをしないように、第1章では、子どもの発達について紹介し、第2章では4コマ漫画でその状況を表しました。「ああ、あるある」と自分のことに置き換えながら、「そうか、子どもはこんなふうに思っていたんだな」と読んでいただきたいと思います。本書が、皆さんの子育てをより楽しいものにするために役立てば、幸せです。  (「はじめに」より)

【第1章】子どもの心の発達
1.自律性の発達
2.言葉の発達
3.人の気持ちの理解
子どもの発達や成長が崩れるとき

【第2章】実は、子どもを傷つけている親のひと言
(case1)うるさい!!
(case2)ちゃんとして
〈コラム〉子どもに伝わる言葉と伝わりにくい言葉
(case3)子どもはあっちに行っていなさい
(case4)もう、本当に嫌になっちゃう
(case5)ちゃんと言って
(case6)親をなんだと思っているんだ
(case7)何回言ったらわかるの
(case8)もう、やらなくていい
(case9)あなたのために言っているんだからね
(case10)どうして○○ができないんだ?
(case11)○○ちゃんはいいの
(case12)そんなことどうだっていいでしょ
(case13)たいしたことじゃない
(case14)違うでしょ
〈コラム〉親の高い期待は子どものやる気をつぶす?
(case15)いいから、言うことを聞きなさい
(case16)ほら、だからできないって言ったでしょ
(case17)まだまだ、だな
〈コラム〉害になるご褒美!?
(case18)そんなことも知らないのか
(case19)なんでできないの
〈コラム〉自分のことを好きになれる子
(case20)どうせ……
(case21)本当?
(case22)お兄ちゃんでしょ
(case23)そんなことだから……
(case24)あんたのせいだからね
(case25)うちの子じゃありません
(case26)嘘でしょ
(case27)おいていくから
(case28)大嫌い
(case29)○○ちゃんは~だって
〈コラム〉褒め方のコツ
(case30)あんたなんか産まなきゃよかった
(case31)顔も見たくない、出ていけ
(case32)あーあ、女の子(男の子)がよかったわ
(case33)お前には無理
(case34)だから、太っちゃうのよ
(case35)あんたなんかいらない

【第3章】子どもを傷つけない関わり方のポイント
〈ポイント1〉子どもの今できることを見極める
〈ポイント2〉子どもにわかる伝え方をする
〈ポイント3〉先手を打つ
〈ポイント4〉親の関わりを見直す
〈ポイント5〉子どもに任せる
〈ポイント6〉子どもの気持ちに沿う
〈ポイント7〉褒める
〈ポイント8〉真正面からぶつからないために
〈ポイント9〉気持ちをリセットする