頁数/仕様
176ページ / 縦:18.8cm 横:12.9cm
初版
2017年4月
在庫
在庫あり

身近な人を見送ったあなたにいちばん大切なこと

悲しみから抜け出せない遺族の心のケアを行ってきた著者が、「亡くなった人に手紙を書く」「誰かのために働く」など、悲しみを受け止め、前向きに人生を捉えなおすための方法を紹介しています。
著者(肩書) 柴田典子《株式会社オフィス・シバタ代表取締役》
主な著作 『家族・親族のお葬式前後にやることがわかる本』(PHP研究所)
税込価格 1,296円 (本体価格:1,200円)
対象 一般
頁数/仕様 176ページ / 縦:18.8cm 横:12.9cm
初版 2017年4月

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私は20年前から、葬儀社で大切な人を見送る仕事に携わってきました。今は、そのときの体験を生かしてエンディングをデザインするコンサルタントをしています。

大切な人を亡くされたご遺族の方とのおつきあいは、日数にするとほんの数日間です。短い時間ですが、故人の話を聞かせていただき、見送られる方と見送る方が心休まるようにとの気持ちを込めて、ご遺族に寄り添いながら葬儀を行っていくことで、遺族と葬儀担当者の間には信頼関係が生まれてきます。

いつからか、葬儀を通してご縁のできた方たちが、葬儀が終わってからもオフィスに顔を見せてくれるようになりました。
「じつは今日、四十九日だったの。みなさんお元気かなと思って来てみたの」
「今そこの郵便局に行ってきたんだけれど、お宅の前を通ったからちょっと寄ってみたんだ」
「病院に行って来たんだけれど、すごく混んでいて疲れちゃった。ひと休みさせてくれる?」
そんなふうに立ち寄ってくださるご遺族の方たちと、お茶を飲みながらいろいろな話を聞く中で見えてきたのは、そこにいるべき人がいなくなってしまった後の寂しさや孤独な気持ちでした。

そうした気持ちを思いのままに吐露できる場所がないことのつらさも知り、「家族を亡くされた方同士が話せる遺族ケアの場」の必要性を実感したのです。
そして、平成11年から「遺族の心を語る会」をスタートさせました。葬儀社を辞した後も、コンサルティングを依頼されている、東京都杉並区の高円寺と町田市の葬儀社で遺族ケア会を開催し続けています。

長い間、遺族会を開いてきて、そこでたくさんの方のお話を聞くことができたのは、どんな講演や研修でも得ることができない大きな学びになったと思います。
いっぽうで「グリーフ(悲嘆)」というものについての知識や情報が、日本にはとても少ないことを痛感しています。
大切な人、愛する人を見送ったのち、ご遺族には大きな悲しみやつらさが押し寄せてきます。

何もする気が起きず、すべてが無駄に見え、
誰にも訴えられず、食欲もなく、寝られない。

この本を手にとってくださったみなさんの中には、今まさにこのような「グリーフ(悲嘆)」の状態にある方もいらっしゃるかもしれません。

この苦しさやつらさはずっと続くのだろうか。
抜け出すことなんてできるのだろうか。

悲しみや孤独感やつらい気持ちに心を占領されながら、片隅でそんなふうに思っている方もいらっしゃるかもしれません。
「グリーフ(悲嘆)」は、愛する人を亡くしたとき誰にでも訪れるものです。深い悲しみの中で過ごす時間は、喪失による心の傷を癒やしていくために与えられた大切な時間でもあるのです。
微力ながらも、その悲嘆の時間を過ごしている方たちの力になれますようにとの思いを込めて、この本を書かせていただきました。
大切な家族を亡くした友人は、悲嘆の時期を抜けてから、このように表現してくれました。
「悲しみはあるけれど、悲しみの質が変わってきた」
つらくて苦しいだけの日々、故人を思い出しては涙にくれ、悲しみに気力を奪われていくような日々は、いつか変わっていきます。
本書がそのためのささやかな手助けになれたら、これほどうれしいことはありません。  (「はじめに」より)

【第1章】見送ってから間もないあなたへ
見送ってからの「後悔」は誰もがもつ自然な感情
「悲嘆」は早い時期から始まっています
遺族の悲しみはお葬式後に大きくなります
誰を亡くしたかで抱える悲嘆も違います
・親を見送る
・配偶者を見送る
・子どもを見送る
・大切な友人を見送る
・大切なペットを見送る
遺された親を支えるあなたも「遺族」です
突然大切な人を亡くしたとき
心にも自然治癒力があります
亡き人も次への一歩を後押ししてくれている
亡くなった人の面影を大切に

【第2章】悲嘆を受け止める段階で起こること
悲しみのショートカットはできない
何年も経ってから悲嘆があらわれることも
悲嘆に呑み込まれないために大事なこと
どっぷり悲しむことは回復に必要な「仕事」
悲しみが癒やされるまでのプロセス
プロセスをどう経ていくかは人によってさまざま
悲嘆は身体や行動にも変化を及ぼす
不調があまりに長引くときは……
何かにすがりたくなるからこそ気をつけたいこと
妻を亡くした方はあまりがんばらないで!

【第3章】悲しみを乗り越えていくためにできること
「話す」ことで悲しみを外に「放す」
家族だからこそ、話せる場は別にもちましょう
複数の人に聞いてもらう、専門家の力を借りる
遺族会や自助会に参加してみる
本やインターネットで他者の体験に触れる
手元に少し遺骨を残しておく
亡くなった人に手紙を書く
お遍路の旅で区切りがつけられた人もいる
身体を動かして心をほぐす
スケジュールをいっぱいにしてみる
誰かのために働く

【第4章】悲嘆の中にいる人にあなたができること
どんな言葉をかけてあげたらいいの?
遺族には「聞きたくない言葉」がある
「あなたならわかるでしょ」と役割を押し付けない
しばらくは状況を受け入れて話を聞いてあげよう