頁数/仕様
192ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版
2018年11月
在庫
在庫あり

発達障害の女の子の「自立」のために親としてできること

発達障害の女の子を犯罪被害や不利益から守り、自立に向け支援していくために必要な知識や社会資源の活用法、習得しておきたい生活習慣や身だしなみなどをわかりやすく紹介しています。
著者(肩書) 藤原美保《株式会社スプレンドーレ代表》
主な著作 『発達障害の女の子のお母さんが、早めに知っておきたい「47のルール」』(健康ジャーナル社)
税込価格 1,296円   (本体価格:1,200円)
対象 幼児~中学生の女の子の保護者
頁数/仕様 192ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版 2018年11月

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この本を手にしていただけましたことに感謝します。
2014年に、障害者の権利に関する条約がわが国で批准されました。ついこの間のことです。つまりそれまでは、障害を理由に差別をしても問題にならなかったということです。2016年に障害者差別解消法が施行され、公的機関には「合理的配慮」が義務化されましたが、一般社会で当たり前になるには時間が必要に感じます。
ユネスコが中心となってとりまとめた『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』には、「すべての情報は学習者の認知能力に一致させるべきであり、知的障害や学習障害のある子どもや若者にも注意が払われるべきである」という一文があります。つまり、「障害のある人それぞれに合わせて理解させるべき」ということだと思います。
LGBT(性的少数者〈セクシュアルマイノリティー〉を表す言葉の一つ)など、性や障害についての多様性が、社会の中で当たり前のこととして認められるようになるには、やはり教育から変えていくことが必要ではないかと思っています。
本書の執筆にあたっては、本人にとっての自立と、親が望む自立とのギャップを日々感じている私が、どのように発信することが、彼女たちの救いになるのだろうと悩みました。
親との面談を数多く行なってきて気づくのは、子どもより、親自身が支援を求めていることが、決して少なくない。つまり、「自分が子どものいちばんの支援者である」ということが自覚できていない親がとても多いということです。
多くの親が子どもの「自立」を望んでいますが、「発達障害の女の子の自立」がどういうものなのか、そのイメージができていないのです。
特に子どもが小学生の頃は、わが子がいわゆる定型発達の子のように「普通」に仕事をして、「普通」に結婚して……と思っている方が数多くいらっしゃいます。というより、それ以外のイメージが思い描けないというのが実情だと思います。なぜなら多くの親は、「普通」の生活しか「知らない」からです。
この「普通」という呪縛に苦しめられていることに、親も子も気がついていません。親が「普通」を望めば、子どもも「普通」に憧れを持つようになりますし、学校に通うようになれば、さらにそうなります。日本の社会全体の情報が、「普通」を求めるようにつくられているからでしょう。ところが、子ども本人は「普通」にできない自分を責め、自己肯定感をすり減らします。親は、社会で「普通」になれない子どもへの責任と、将来への不安に苦しみます……。

「普通」の枠にはまらないことが「普通」になり、「普通」に憧れなくてもよい社会になったなら、きっと親子ともども、生きやすいのではないでしょうか?
障害者の権利に関する条約にあるように、多様な人たちの存在が社会において当たり前になるためには、親の声がとても重要だと思っています。

最後までおつきあいいただけると幸いです。そして、発達障害の女の子の自立について、みなさん自身がわが子のいちばんの支援者として、「できること」を考えるきっかけになれば、うれしく思います。  (「はじめに」より)

【PART1】発達障害の子の「自立」と「社会資源の活用」
・女の子専門の放課後等デイサービスを始めた理由
・子どもの「自立」って?
・5つの自立
・発達障害の子を育てるには時間もお金も手もかかる
・診断を受けることには意味がある
・自立のための支援
・社会資源の活用には知識や最新情報が必要
・法で定められている支援
・発達障害の子が受けられる支援・福祉サービス
・自ら行動を起こさないと福祉・支援は得られない
・福祉サービスになかなかたどり着けない現実
・「一緒につくり上げる」という姿勢がサービスを向上させる
・トータルサポートの大切さ
・ASDのための支援

【PART2】幼少期から始めておきたい「自立の準備」
・「大切に思ってくれる人がいること」を意識づける
・生活の中にこそ療育の場がある
・本人の自覚が大切
・思春期に入る前の療育が大切
・女の子の発達障害は気づかれにくい
・発見の遅れが対応の遅れにつながる
・祖父母に協力してもらおう
・障害は親のせいではないが責任は生じる
・子どもに振り回される親は信頼されない
・「人」「もの」「場所」は変えられる
・「育てにくい」ではなく「育ちにくい」
・まず定型発達の成長過程を理解する
・「障害」は定型発達との比較
・子どもの「感覚過敏」「鈍麻」を把握する
・「コミュニケーションができている」ように見える!?
・苦手なことに少しずつチャレンジして世界を広げる
・「スモールステップ」の誤解
・「相手の気持ち」を教える
・「謝ること」を身につける
・「安全なタッチ」と「安全ではないタッチ」を学ぶ
・「パーソナルスペース」を学ぶ
・「マイナス言動」と「依存」の「誤学習」
・感情を切り替えるためのルールを身につける
・感情を落ち着かせる方法を身につける
・「命のかけひき」をさせてはいけない
・命に関わる激しい自傷行為は専門家の援助を受ける

【PART3】自立を支える「身だしなみ」と「生活習慣」
・「らしさ」は自然には身につかない
・身体を清潔に保つ
・清潔な衣類を身につける
・だらしなく見えない衣服を選ぶ
・だらしなくなってしまうのは脳のせい
・「きれいに食べられない」にも理由がある
・食べやすいメニューを意識する
・「食べ物が身体をつくる」ということを意識する
・髪型は美容師の協力を得る
・ムダ毛の処理も大切な身だしなみ
・排便リズムを整える
・睡眠リズムを守り充分な睡眠をとる

【PART4】自立のために避けられない「性の問題」
・アダルトコンテンツが“性の教科書”になってしまっている
・性教育は「命の教育」
・「大人との約束を守る」という大切なルール
・「プライベートゾーン」を理解する
・「生理のマナー」を身につける
・生理周期を把握して体調に合わせて生活する
・立件が難しい性被害
・負のスパイラルに陥らないために
・性犯罪に対する意識の違い
・避妊具の知識を身につける
・かかりつけの産婦人科医を見つけておく

【PART5】発達障害の女の子を守っていくために
・彼女たちが狙われやすい理由
・「寂しさ」が性被害を招く
・見境のない性交渉は自傷行為と知る
・男性に誘われたら支援者に相談することを約束する
・恋人との過ごし方にもルールが必要
・「大切にされること」に反する人とは関係を終わらせる
・「結婚すれば大丈夫」は本当?
・パートナーを選ぶときの注意点
・相談者についての課題
・権利学習も大切
・継続就労に立ちはだかる多くの壁
・就労後のトラブル
・支援は始まったばかり
・努力の姿勢が支援を得るためのスキルになる