頁数/仕様
160ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版
2019年5月
在庫
在庫あり

家族葬 墓じまい 永代供養 「現代葬」がわかる本

家族葬や樹木葬、海洋への散骨、墓じまい、改葬、納骨堂、永代供養など、現代人のニーズと最新の業界動向に沿ったお葬式やお墓、供養のありかたをわかりやすく解説します。
著者(肩書) 市川愛《市川愛事務所代表》
主な著作 『「終活」のすすめ』(太陽出版)
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 一般
頁数/仕様 160ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版 2019年5月

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■増える「家族葬」「墓じまい」「永代供養」

ひと昔前まで、葬儀というのは、地域の中の「○○家」の葬儀として行なわれていました。親族をはじめ、友人・知人・仕事関係者など、幅広い人たちに訃報を通知し、近隣の人たちの手を借りながら、地域の伝統やしきたりに則って、2日間にわたり、通夜と告別式を行なうのが通例でした。
しかし最近は、社会の高齢化や、地域のつながりの希薄化により、葬儀は個人のものに変わりつつあります。たとえば、私の場合ですと、祖父母の代までは「市川家」の葬儀でしたが、母の葬儀では母個人の色が強くなりました。おそらく私自身の葬儀は「市川愛」の葬儀になるでしょう。こうした変化を象徴するのが、家族葬の増加です。

家族葬というのは、近親者だけで、故人をお見送りする葬儀です。これに対して、一般の方の弔意を2日間で受ける旧来の葬儀は、一般葬と呼ばれています。
葬儀は、この2つに大別できますが、いまや全国で行なわれている葬儀の約7割を、家族葬が占めていると言われています。
私のところへ相談に訪れる方も、9割近くが家族葬を検討されています。家族葬というスタイルが、一般に広く定着していることを実感します。
家族葬を希望する理由としては、「本人が高齢なので参列者が少ない」という声とともに、「費用を抑えたい」という声が多く聞かれます。
実際のところ、家族葬は決して安くはありません。場合によっては、一般葬より高くつくこともあります。それでも、家族葬を行なった遺族の方は、とても満足度が高いのが特徴です。
基本的に身内だけですから、故人をゆっくり見送ることができます。また、従来の伝統やしきたりにとらわれずに、自由な発想で葬儀を行なうことができるのも魅力です。
最近は一般葬も、葬儀の大きさより、内容にこだわりを持つ人が増えています。私のところへ相談に訪れる方も、自分の葬儀は「大げさではなく」「派手ではなく」という言葉をよく口にされます。特に団塊の世代の人たちは、「家族に負担をかけたくない」という思いとともに、自分らしさを大切にしたい、という思いを強く持っておられます。

そうした考え方は、お墓にも表れています。
先祖代々受け継がれてきたお墓を手放す「墓じまい」が増えている一方で、散骨や樹木葬といった「自然葬」を希望する人が増えています。
少子化や核家族化により、そうせざるを得ない世情もありますが、自分の人生を最期までプロデュースしたいと考える人が増えているのを感じます。
私が「終活」を考案し、発表してから、今年でちょうど10年が経ちました。
当初は、元気なときに葬儀や死について考えるなど「縁起でもない」という風潮が、まだ強く残っていました。しかし、今は日常生活の中で、葬儀について家族で話したり、インターネットで葬儀に関する情報を集めたりすることが、珍しくなくなりました。
そうした世間の変化に対応するために、葬儀業界の情報開示も進んでいます。
今は、ほとんどの葬儀社が、自社のホームページで葬儀費用の概算の見積もりを公開しています。消費者がもっとも気になるのは費用ですから、ホームページに費用の記載がないと、それだけで選択肢から外されかねないからでしょう。
費用だけでなく、葬儀の内容や、スタッフの対応なども、消費者が自分で複数の葬儀社を比較し、気軽に選べる時代になりました。喜ばしい進化です。

こうした動向をとらえるキーワードとして、本書のタイトルでは「現代葬(いまそう)」という表現を使っています。しかし、時代によって流行やスタイルのトレンドはあれど、私たちの根底にある「弔いの心」は変わるものではありません。
そして、葬儀やお墓についての知識を持つことが、よりよく生きるための学びになります。ゴールを考えることが、生きる過程を考えることにつながります。
本書が、そのひとつの指南書となれば嬉しく思います。  (「はじめに」より)

【PART1】「自分たちに合った葬儀」を知りましょう
■葬儀は2つのタイプに大別できます
・家族葬と一般葬
・一日で行なう家族葬もある
・「葬儀をしない」という選択
〈家族葬〉最大のメリットは安さではなく「満足度」
・結果としての家族葬
・「家族葬=安い」は誤解
・ご遺族の満足度は高い
〈家族葬〉葬儀を終えたあとの対応に配慮が必要です
・家族葬のデメリット
・いつまでも終わらない
・嫌な思い出にしないために
・「お別れ会」を開く
〈一般葬〉参列者が多いからこその利点があります
・現役で亡くなった場合は一般葬
・150万~200万円が目安
・思い出を共有できる
・SNSで訃報通知
〈直葬〉軽い気持ちで選択するのは厳禁です
・直葬は葬儀ではない
・葬儀社のお手伝いは必要
・本人が希望するケースが増加
・ご遺族の負担は減らない
〈直葬〉「お別れの場」が必須です
・葬儀は大切な「お別れの場」
・罪悪感を引きずることにも
・「お別れの場」はつくれる
・一日葬や僧侶の読経も検討
・ペットの葬儀

【PART2】失敗しない・後悔しない葬儀社の選び方
■葬儀の準備は元気なときから始めましょう
・葬儀の話はタブー?!
・余命宣告後の準備はつらい
・元気なときに話し合っておく
・「葬儀」に対する意識の変化
■最低3社から見積もりをとりましょう
・複数の見積もりで比較検討
・電話をかけてみる
・事前の判断が非常事態を救う
■葬儀社のホームページのチェックポイント
・プロが一所懸命働いているか
■葬儀社に赴く前に整理しておきたいポイント
・要望を事前にまとめておく
・事前整理の4つのポイント
■葬儀社に伝えるポイント(1)規模
・参列者の想定数を伝える
・規模が決まれば費用が決まる
■葬儀社に伝えるポイント(2)形式
・形式によって内容が異なる
・8割以上が仏式
・菩提寺のご住職に読経を依頼
・無宗教式が得意な葬儀社もある
・菩提寺がある場合は必ず連絡を入れる
■葬儀社に伝えるポイント(3)安置場所
・最初に決めるのが安置場所
・安置所を備えている葬儀社も
・安易に預けない
・搬送の手順を決めておく
■葬儀社に伝えるポイント(4)こだわり
・満足度を決める「こだわり」
・故人らしさをプラスする
・思い出コーナーを交流の場に
■良心的な葬儀社にはこんな特長があります(1)
・訪問してみるとよくわかる
・プランの説明より相談者の話に耳を傾ける
・わかりやすい言葉で見積書を説明してくれる
■良心的な葬儀社にはこんな特長があります(2)
・契約や友の会への入会を急かさない
・実際の施工事例をたくさん見せてくれる
・対応してくれた担当者に好感がもてる

【PART3】失敗しない・後悔しない葬儀の準備と進め方
■葬儀費用のトラブル(1)「葬儀一式」のからくり
・費用に関するトラブルが多い
・「一式」だけで葬儀はできない
・別請求の「実費」の内容
■葬儀費用のトラブル(2)「まぎらわしい名称のプラン」にも注意
・「実費込み」でも増額する
・互助会の積立金
・市民葬、区民葬も総額を確認
・葬儀一式の由来
■葬儀費用のトラブル(3)見積書の「落とし穴」
・「からくり」が見抜けない理由
・葬儀社の巧みな話術
・必ず親族の付き添いを
■トラブルを防ぐために自分でできること
・「総額の見積書」と伝える
・予算の上限を伝える
・遠慮せずに何度も質問
・「お任せします」は禁句
■お布施の“お気持ち”にも目安があります
・お布施とは?
・戒名の位で決まる
・地域差もある

【PART4】失敗しない・後悔しないお墓とのかかわり方
■「墓じまい」が増えています
・「継承者がいない」が6割超
・家制度消滅の影響?
・手順と費用の相場
■お墓を移動する「改葬」も増えています
・年間10万件を超える
・改葬の手順
・代行も可能
■墓石を建てるタイプは「累代墓」と呼ばれます
・累代墓は洋型が人気
・寺院墓地は檀家限定
・寺院墓地の費用の目安
・区画販売の霊園
■納骨堂は「一代限り」と「累代」があります
・納骨堂の種類
・納骨堂利用の注意点
■人気の「樹木葬」
・山林型と都市型がある
・メリットとデメリット
■散骨は家族の承諾がないと実現しない
・実現できるとは限らない
・全散骨は避ける
・ペンダントに入れることも
■流行に飛びつく前に親族でよく話し合いましょう
・つらい選択になることも
・親族でしっかりと話し合う

【PART5】今だからこそ大切にしたい「供養」と「法要」
■菩提寺と上手につき合うことも供養のひとつ
・菩提寺との関係を深めておく
・ご先祖様の話も教えてもらえる
・つき合いがお布施、供養になる
■「小さな仏壇」を求める人が増えています
・仏壇も比較検討
・無理なく供養する風潮
・おしゃれなパーソナル仏壇も
・仏壇の処分
■日常の供養は楽しむことが大切です
・無理のない範囲でつき合う
・お参りのアイテム
・仏様とおおらかに仲よしに
■法要は「ご遺族の心を癒す場」でもあります
・故人の思い出を語り合う場
・悲しみからの回復を円滑に
・新盆は初めての里帰りの日
・忌日法要と年忌法要

【PART6】今すぐ始めたい「終活」
■葬儀の心構えは「備えあれば憂いなし」
・やるべきことを整理すれば安心
・方針だけでも決める
・人生がポジティブになる
■「終活」で理想のエンディングを目指しましょう
・「終活」は死ぬ準備ではない
・終活で考える3つの要素
■「のんびり終活」でゆとりをもってその日を迎えましょう
・終活を考えるとき
・終活疲れ?
■「エンディング・ノート」を書いてみましょう
・考えるべきことが浮き彫りに
・人生を見つめ直す
・家族に伝えることを忘れずに
〈エンディング・ノート〉「書きたい項目」を優先して書きましょう
・挫折する3つの理由
・何度も書き直して大丈夫
・項目は飛ばして構わない
・筆が止まったところが課題
〈エンディング・ノート〉お気に入りの遺影も遺しましょう
・事前に決めておかないと
・遺影が故人のイメージになる
・スマホで撮影してもいい
・ペットの行き先も決めておく
〈エンディング・ノート〉親にすすめたいならまず自分が書いてみましょう
・必要性を知ってもらう
・興味を抱く話を入り口に
〈エンディング・ノート〉葬儀の「こだわり」も書いておきましょう
・弔問客をもてなす方法
・人柄がにじむ気配り
・暗さがないのが特長
・「しなくていい」は避ける……122

【PART7】葬儀・法要・お墓・終活にまつわるQ&A
・「家族葬」と「密葬」、何がどう違うのですか?
・「リビング葬」とは、どのようなものですか?
・生前葬を行なうと、自分の死後に葬儀をしなくて済むのですか?
・生きているうちに自分で戒名をつけることはできますか?
・父親が亡くなったときには院号をつけたいと思っているのですが、菩提寺に頼めばつけてくれるでしょうか?
・分骨をするとよくない、という話を聞いたことがあるのですが。
・新しくお墓を建てると、身内に不幸が起きると聞きました。迷信だと思うのですが、大丈夫でしょうか?
・散骨する場所に決まりはあるのでしょうか?
・いったんお墓に納めたお骨を、海に散骨することはできますか?
・自宅に仏壇がないのですが、買ったほうがいいでしょうか?
・手元供養について教えてください。
・四十九日を過ぎても、故人の遺骨を自宅の仏壇に置いておきたいのですが、問題ないでしょうか?
・エンディング・ノートに「直葬」と書いたら、子どもたちから猛反対されました。どうしたらいいでしょうか?
・お正月に「終活年賀状」が届いたのですが、自分も考えたほうがいいでしょうか?

〈付録〉いちばんやさしいエンディング・ノート