頁数/仕様
112ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2021年12月
在庫
在庫あり

ボロボロ血管・ドロドロ血液を改善!
血管を浄化する30秒「筋ポンプストレッチ」

血液をサラサラにする「筋ポンプ作用」を促す体操を多数紹介。「筋ポンプストレッチ」を習慣にすれば、血液と血管が健康な状態に保たれ、血液以外の病気にもかかりにくくなります。
著者(肩書) 杉岡充爾《医学博士、すぎおかクリニック院長》
主な著作 『なぜ、元気な人ほど突然死するのか 1日、たった3分 強い血管をつくれば健康になる!』(ベストセラーズ)
編集等
税込価格 1,430円   (本体価格:1,300円)
対象 一般
頁数/仕様 112ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2021年12月

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■症状が出てからでは遅い!
血管に障害が起き、弱くボロボロになるまでには時間がかかります。ところが、血管が詰まったり破れたり、亀裂が入るのは「突然」です。
しかも、多くの病気は症状が出ても手当てをすることで改善していきますが、血管の病気の場合、発作が起きた時点で手の施しようがないことが少なくありません。
たとえば、脳卒中や心不全は血管が詰まって血流が止まり、脳や心臓が侵される病気ですが、血管が50%や60%詰まっても症状はほとんど出ません。90%詰まったところで、ようやく症状が出るのです。

■血管障害の恐ろしさ
そうなると、一刻を争います。素早く適切な処置が施されれば、数日入院しただけで、歩いて家に帰ることができます。
しかし、病院に搬送中の救急車の中で命を落とすケースが多いのが現実です。
また、新型コロナウイルス感染症でも、重症化するリスクが高いのは「基礎疾患のある人」だと言われています。その「基礎疾患」には高血圧症や糖尿病、心臓の病気が含まれていますが、これらの多くが血管の障害からくるものです。
新型コロナウイルスに感染しても症状が出なかったり、軽症ですむ人がほとんどだと言われていますが、重症化すると命を落としたり、さまざまな後遺症に悩まされたりすると聞きます。

■血管の病気は防げる!
ちょっと脅かしすぎてしまったでしょうか。
でも、私が本書をまとめた理由は、みなさんを脅かすことではありません。こんなに恐ろしい血管の病気も「自分しだいで防げる」、ということをお伝えしたいのです。
私は循環器医療を専門とし、約20年間、「最後の砦」と言われる三次救急の指定を受けた病院の心血管センターで働いてきました。
日夜、まさに24時間、心筋梗塞や動脈瘤破裂などで運び込まれた方たちの治療にあたっていたのですが、そこで気づいたことがありました。

■再発を繰り返さないために
心臓が止まりかけていても、迅速に処置を施せば生還します。そのとき、私は医師としてこの上ない喜びと達成感を味わい、「二度とここへは来ないように」と願って患者さんを病院から送り出します。
ところが、しばらくすると、その患者さんがまた病院に担ぎ込まれてくるのです。
血管の詰まりがとれたり血管を修復することができたとしても、元の生活習慣のまま、血管を大切にしない生活を続けていれば再発のリスクは高まります。しかも、一度傷ついた血管はどうしても弱くなってしまうので、症状が重くなりがちです。
このようなことを繰り返していてはいけない。そう考えた私は、救急医療は後進に任せ、水際で止めるゲートキーパーとして循環器系の予防医療をしたい、血管の病気で救急センターに担ぎ込まれる人を1人でも減らしたい。そう思って、2014年に心臓血管を扱うクリニックを開設しました。

■大切なのは薬と手術だけではない
クリニックでは、薬や手術などによる治療はもちろんですが、血管を強く、健やかな状態にするための生活習慣の指導を手厚く行っています。
医師として心がけていることはたくさんありますが、もっとも大切にしているのは、患者さんが「ここに来てよかった」と思えるような診療を行うことです。
私のクリニックに限らないと思いますが、もともと病気がある人だけでなく、病気が心配で訪ねてくる人もいます。いずれの場合にも当てはまるのは「安心したい」ということではないでしょうか。
診察を受け、医師から、「前よりよくなっていますね」「ここはまだ弱いけど、こちらはずいぶん改善しています」「大丈夫、何ともありませんよ」などと言われたら、病気に対する不安はかなり軽減するでしょう。

■かつて憧れた医師のように
実は私自身、そうした医師の一言に励まされ、支えられてきました。
私は生まれつき、右目の網膜というところから出血しやすいという珍しい病気をもっています。幼稚園の頃にそのことが判明したのですが、ていねいに診察してくれる医師、やさしく接してくれる看護師を見て幼心に「かっこいい」と思い、それが医師を目指すきっかけになりました。
病院に通い続けなければいけないということは、自分は大変なんだ、そう思うと不安になりました。
そんな私に、医師は診察のたびに今の症状をきちんと伝えてくれて、症状がひどくならないようにするにはどうすればいいか、子どもにもわかるように話してくれる。病院を出るときはホッとして、家に帰る足取りも軽くなったものです。
その経験が、今の私を形作っているのだと思います。
クリニックを訪ねてくださった方の不安を、少しでも取り除きたい。
患者さん1人ひとりと正面から向き合い、しっかり耳を傾けて、その方にもっとも適切な治療を提供する。あたりまえのことですが、常にその姿勢を忘れないよう、心がけています。

■血管を強く、しなやかに
そしてもう1つ、自分の使命だと思っていることがあります。
クリニックに通われていない人、現在、血管に問題を抱えていない人に、血管を強く、健やかにする方法をお伝えすること。血管の病気の再発を防ぐだけでなく、血管の病気にならないようにする。まさに、予防医療です。
そのために私は、クリニックでの診療と並行して、血管についてのセミナーを開いたり、招いていただいた講演でお話ししたり、こうして本を書いたりしています。
今回の本では、血管を強くしなやかにするストレッチとトレーニングをご紹介したいと思います。
運動が血管を健やかにし、血液をきれいな状態に保つことは、すでに多くの人が知っているでしょう。ただ、すぐに体を動かせる人ばかりではありません。もともと運動が苦手だったり、忙しくてジムに通う時間が取れなかったり、高齢になって体が思うように動かなくなってしまったという人も多いのではないでしょうか。
だからといって体を動かさないでいるとますます動けなくなり、それにともなって血管の機能も衰えてしまいます。

■筋ポンプストレッチで血管を守る!
そこでおすすめしたいのが、本書でご紹介する筋ポンプストレッチと筋ポンプトレーニングです。
「筋ポンプ」とはもともと、歩いたり足首を動かしたりした際にふくらはぎの筋肉が収縮・弛緩を繰り返し、深部にある静脈を圧迫してポンプのように血液を押し上げる働きのこと。ふくらはぎの筋肉を鍛えるほど筋ポンプ作用がよく働き、血流がよくなって血管もいい状態が保たれるのです。
効果はそれだけではありません。
筋肉を伸ばしたり鍛えたりすることで、血管を拡張して詰まらせないようにする物質や、傷ついた血管を修復してくれる物質が体の中で作られます。
つまり、ストレッチやトレーニングを習慣にすれば、薬に頼らず誰の力も借りず、自分で自分の血管を守ることができるというわけです。

■血管が健康になると、脳も見た目も若返る!
血管が強く健康であれば、疲れが取れやすく、血管の病気以外の病気にもかかりにくくなります。脳の働きもよくなるので認知症の予防にもつながります。
さらに、血管が元気で血流がサラサラになれば、新陳代謝が活発になってエネルギーが効率よく消費されるため、太りにくい体になっていきます。
肌の血色がよくなるだけでなく、肌のターンオーバーも活発に行われるので美肌になります。肌がきれいになると、実年齢よりもずっと若々しく見えるものです。
というように、本書でご紹介する運動は、いいことずくめです。ぜひ習慣にして、毎日を生き生きと楽しく過ごし、充実した人生を送りましょう!  (「はじめに」より)

【第1章】現代人の血液の悩み
■血管に爆弾を抱えた人が増えている!
・深刻さを増す「心不全パンデミック」
・医療が逆に血管病を増やした!?
・長引くコロナ禍で「潜病」が急増中
・小さな兆しを見逃さない
・「あれ?」と思ったらすぐ受診
■ボロボロ血管は、こんな病気を招く!
(1)脳梗塞
(2)脳出血
(3)くも膜下出血
(4)狭心症
(5)心筋梗塞
(6)大動脈瘤破裂
(7)大動脈解離
(8)下肢閉塞性動脈硬化症
・「突然死」は珍しくない
・血管チェックの習慣を
・QOLを高めるために

【第2章】ボロボロ血管、ドロドロ血液の原因
■元凶は動脈硬化と血管の機能異常!
・血管がボロボロになる原因
・ストレスが最大の敵
・ボロボロ血管とドロドロ血液の関係
■血管をストレスから守ろう!
・強い味方、コルチゾール!
・コルチゾールが作れない!
・コルチゾールを枯渇させないために
■2つの物質が血管を強くする!
・体を動かしてNOを増やす
・血管を修復するアディポネクチン
・アディポネクチンを増やすには
・メタボリック・ドミノを防ぐ
・インナーマッスルを鍛える
・ベージュ脂肪細胞が脂肪を燃やす

【第3章】「筋ポンプストレッチ」で血管を浄化!
・ストレッチが血管に効くメカニズム
・「積極的休養」が疲労物質を排出する
■全身ストレッチ
■ふくらはぎのストレッチ
■腸腰筋のストレッチ
■腹筋のストレッチ
■肩甲骨のストレッチ
■股関節のストレッチ

【第4章】「筋ポンプトレーニング」でもっと元気に!
・トレーニングが血管、血液に効くメカニズム
・コエンザイムQ10とは?
■ふくらはぎの基本トレーニング
■ふくらはぎの応用トレーニング
■立った姿勢のドローイング
■座った姿勢のドローイング
■速いドローイング
■腸腰筋のトレーニング
■肩甲骨の基本トレーニング
■肩甲骨の応用トレーニング(A)
■肩甲骨の応用トレーニング(B)

【第5章】食事と生活習慣
■正しい食事が強い血管を作る!
・血管は栄養を欲している
・血管に必要な栄養素
(1)ポリフェノール系
(2)カロテノイド系
・血管をボロボロにする4つの敵
(1)酸化
(2)糖化
(3)炎症
(4)ストレス
・抗酸化対策には「ビタミンACE」
・ビタミンBも重要
・血糖値の急上昇を防ぐ
・「いい油」を意識して摂取
・炎症を起こしてしまう油に注意
・ミネラルで血管を浄化
・カルシウムとマグネシウムの重要性
■血管をきれいにする毎日の習慣
・血管病を招く「3つの乱れ」
・睡眠不足の原因
・朝の運動で血管は強く、しなやかに!