頁数/仕様
144ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2022年10月
在庫
在庫あり

一生自分の足で歩ける! 「最強の土踏まず」のつくり方

100歳まで元気に歩くために足元からの健康に目を向けましょう! 実は足の形が歩く力を衰えさせています。土踏まずの機能を高め、歩行を改善する方法を「足の専門医」が紹介。
著者(肩書) 桑原靖《足のクリニック表参道院長》
久保和也《理学療法士》
主な著作 『女性のつらい「外反母趾」がラクになる! 専門医が教えるセルフケア』(PHP研究所)
編集等
税込価格 1,430円   (本体価格:1,300円)
対象 一般
頁数/仕様 144ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2022年10月

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■あなたの足に「土踏まず」はありますか?

世界トップレベルの長寿国である日本。厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」によれば、平均寿命は男性が81.64年、女性が87.74年となっていて、この先もしばらくは延び続けるでしょう。
では、「健康寿命」という言葉をご存じでしょうか。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」。
つまり、心身ともに健やかで、自立した生活を送ることができる期間です。
健康寿命に関しても日本は世界トップクラスで、令和元年時点では、男性が72.68年、女性が75.38年です。
平均寿命と健康寿命をくらべると前者のほうが長く、その差は男性が約9年、女性は約12年。これが何を意味するかというと、「健康上の問題で日常生活が制限される期間」が男性で9年、女性は12年もあるということです。誰かのサポートがなければ日常生活が送れない、あるいは「寝たきり」の状態で毎日を過ごすことになるかもしれません。
せっかく寿命が延びたのに、最後の約10年を自分の思い通りに生きられないというのは、とても残念なことです。なんとか健康寿命を延ばして、人生の幕を下ろすその日まで、自分らしく楽しく生きたい、誰もがそう願っているのではないでしょうか。
健康寿命を延ばすための鍵を握っているのが、「歩くこと」です。歩くことで血液の循環が促され、筋肉や関節の衰えを食い止められるからです。
では、いつまでも元気に歩くためには何が必要なのでしょう。膝や股関節がスムーズに動くこと、腰に痛みがないこと……? それらも間違いではありませんが、何より必要なのは、足の健康です。足が健康であれば、膝や腰、股関節などに生じるトラブルの多くを避けることができるのです。

自己紹介が遅くなりました。私は、足に特化した医療を行なっている「足の専門医」です。足の専門医、日本ではまだまだ珍しい存在ですが、欧米諸国には「足病医学」というものがあり、「足病専門医」の存在もよく知られています。
日本に足病医学が根付いていないのは、長い間、靴を履く習慣がなかったからだと言われています。医学界では今でも、足の健康に対する意識が低いのが現状です。

現実には、足の痛みに苦しんでいる人がたくさんいます。しかし、足が痛くても何科を受診すればいいのかわからなかったり、皮膚科や整形外科に行って治療を受けても、なかなか痛みや不具合から解放されない。それで、「歳をとったのだから、足が痛くてもしょうがない」とあきらめている人も少なくないのではないでしょうか。
私がクリニックを開院して驚いたのは、まさにそのことでした。たとえば、足にタコやウオノメができ、ズキズキ痛んで歩くのがつらくても、「タコやウオノメなんて病気じゃないから」と放っておいて、いよいよ我慢できないほど痛みが強くなって、クリニックにいらっしゃるのです。
外反母趾になって関節がひどく変形していても「命に関わらないから」と治療を受けず、患部が当たらないような大きな靴を履きながら、なんとかやり過ごしている人もいらっしゃいます。
しかし、足が痛いのは「しょうがない」ことではありません。「タコやウオノメなんて」ではなく、タコもウオノメも、関節の変形もれっきとした足のトラブルです。
足の病気がやっかいなのは、問題が足だけにとどまらず、膝や股関節、腰などにもダメージを与えることです。
詳しくは本文で述べますが、足は体の土台であり、家にたとえるなら基礎です。基礎がしっかりしていなければ家が倒れてしまうように、足の健康が損なわれると全身の骨格構造がゆがみ、膝や腰、肩など全身にトラブルを引き起こします。高齢になれば、それが「寝たきり」につながる恐れもあるのです。

「人生100年時代」と言われます。いつでも、いつまでも元気に歩くために、ぜひ足の健康に意識を向けていただきたいと思います。
そこでポイントは「土踏まず」です。あなたの足には土踏まずがありますか?
足のトラブルの多くは、土踏まずがつぶれてなくなってしまうことから始まります。土踏まずの存在なくして元気な足をつくることはできません。
本書では、足の健康を守る知識をお伝えするとともに、土踏まずを強化するためのストレッチと筋力トレーニングによるセルフケアの方法をご紹介します。
足のケアは、何歳から始めても遅くはありません。ケアをすればしただけ足は健康に向かいます。ぜひ習慣にして、「一生歩ける足」を手に入れてください。本書はきっと、そのお役に立てるはずです。  (「はじめに」より)

・土踏まずチェックリスト

【第1章】自分の足、土踏まずを知る
・土踏まずとは?
(体を構成する土台(足)の要/土踏まずの崩れが扁平足/土踏まずの強度は3パターン)
・土踏まずが「一生歩ける体」づくりの鍵を握っている
(土踏まずの役割/土踏まずの崩れは足トラブルの元凶/土踏まずは9~10歳頃までに完成する)
・あなたの足は、大丈夫?

【第2章】一生歩くためには最強の土踏まずが必要
・土踏まずが弱いと足トラブルが起こる
・足底腱膜炎(足底腱膜が引っ張られる)
・外反母趾(親指の付け根が「く」の字に曲がってしまう)
・強剛母趾(足指に変形が見られないのに、親指の付け根が痛い)
・タコ、ウオノメ(足の一部に圧力が集中し、角質層が厚く盛り上がる)
・巻き爪(陥入爪)(爪が内側へわん曲し、周りの皮膚に食い込む)
・モートン神経腫(中指と薬指の間に大きなゆがみが生じる)
・ハンマートゥ(足の指が曲がったままになる)
・足根洞症候群(外くるぶしに炎症が起こる)
・リスフラン関節症(足の甲が腫れている、足の甲が痛む)
・後脛骨筋腱付着部症(足の内側が腫れて痛む)
・XO脚(度を越えた扁平足が原因)
・夜間に足がつる(寝ている間に、ふくらはぎの筋肉が突然つる)
・膝関節、股関節の痛み(足や足首に連動してゆがみが生じ、痛みが出る)
・「正しい姿勢」を知ろう
・「正しい姿勢」で歩こう
・ウォーキング、ランニングの落とし穴
・はだし宅トレはNG!
・正しい靴の選び方
・靴のサイズの選び方
・インソールで扁平足を補正する

【第3章】土踏まずを鍛えるために知っておきたいこと
・足首が硬い人は扁平足になりやすい
・扁平足だと何が起こるのか
・運動連鎖で足以外にもトラブルが生じる
・「代償」を行ないながら体を動かしている

【第4章】〈実践〉土踏まずの鍛え方
■筋力トレーニング&ストレッチをするにあたって
(「体の柔軟性」が足を守る/毎日続けることが大切/正しい方法で行なう)
■「最強の土踏まず」をつくる筋トレ&ストレッチ
(足の形をチェック!/足首&ふくらはぎのストレッチ)
・しゃがみ込みチェックテスト
・ヒラメ筋ストレッチ
・腓腹筋チェックテスト
・腓腹筋ストレッチ
■足指ストレッチ&トレーニング
・握りチェックテスト
・足指の屈曲ストレッチ
・グーパー運動(内在筋トレーニング)
・タオルギャザー(足指筋力トレーニング)
・ペンつかみ(足指筋力トレーニング)
・ショートフットエクササイズ(内在筋トレーニング)
・トウスプレッドアウトエクササイズ(内在筋トレーニング)
・片足つま先立ちチェックテスト
・カーフレイズ(下腿三頭筋のトレーニング)
■歩行機能改善のためのストレッチ&筋トレ
・前屈チェックテスト
・ハムストリングのストレッチ
・片足バランスチェックテスト
・中殿筋のトレーニング
■歩幅を広げるためのトレーニング
・大股バランスチェック
・ランジスクワット(股関節ストレッチ&大腿四頭筋・大殿筋トレーニング)
■バランストレーニング
・タンデム肢位チェックテスト
・母趾バランストレーニング