頁数/仕様
144ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2024年11月
在庫
在庫あり

「認知症グレーゾーン」から戻ってきた人がやっている30のこと

認知症グレーゾーンから戻ってきた人の共通点は、「真面目にコツコツ対策を続けている」こと。「推し活」も脳を活性化させてくれます。「喜楽(きらく)」に続ることがポイントです。
著者(肩書) 広川慶裕《認知症予防医、ひろかわクリニック院長》
主な著作 『運転免許「認知機能検査」5日間合格特訓ドリル』(PHP研究所)
編集等
税込価格 1,540円   (本体価格:1,400円)
対象 一般
頁数/仕様 144ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2024年11月

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■「何かが違う……」と感じたら、対策を始めよう
認知機能とは、人間の「大脳」で行われている「記憶・理解・判断・思考・知覚・想像・推論」などの知的な機能全般を指しています。
認知機能は、「本人が気づかない間」に衰え始めます。衰えのスタートは、誰も気づくことができません。そしてある程度衰えが進んでから、ふと「何かが違う」と感じる瞬間が訪れます。
その時点で、「もしかすると認知機能が低下してきているのだろうか?」という疑問を抱くことができたら、それはとても「幸運」なことです。そこですぐに何らかの対策を始めたら、おそらく短い期間で認知機能を取り戻すことができるはずだからです。
ただし、この段階では多くの人が、「おそらく気のせいだろう」とか、「まだまだ大丈夫だろう」と高をくくり、それまで通りの生活を続けています。
そうしているうちに、もの忘れがだんだん多くなり、忘れたことをなかなか思い出せなくなったり、つまらないミスが続いたりするようになります。ここまで来ると、かなり高い確率で「認知症グレーゾーン(認知症予備群)」に足を踏み入れているものと考えられます。
その時点で、「これは明らかにおかしい」と気づくことができれば、やはりそれは「幸運」なことと考えるべきです。そこでしっかりと対策を始めて、コツコツ継続することができたら、かなり高い確率で認知機能を取り戻すことができるはずだからです。
もの忘れが激しくなり、日常生活で度々困ったことが起きるようになっても、そのまま何も変わらない生活を続けた場合、今度は認知症を発症してしまう確率が高くなってしまいます。全員がそうなるとは限りませんが、もしも認知症を発症してしまったら、現在の医学では、これを完全に治すことはできません。
本人が努力し、家族も協力し、少なからず治療費もかけて、「進行を遅らせる」のが精一杯です。
そして最悪の場合、思い出も何もかも忘れ、家族や友人の顔さえわからなくなり、自分がどこにいるのかもわからなくなってしまいます。なかには幻覚を見るようになる人もいます。さらに徘徊して行方不明になったり、家族が世話をしきれなくなって施設に入ったりする未来が訪れるのです。
私はそうなってしまう方を1人でも減らしたいと願い、クリニックを開院して患者さんの早期治療に努めたり、本を出版して「少しでも早く治療を始める重要性」を訴えたりしてきました。とにかく認知症グレーゾーンに留まっている間に、1日でも早く対策を始めれば、悪化を防ぐことができるからです。正常な状態に戻ることも可能だからです。
厚生労働省の最近の報告(後述)では、認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)から認知症に進んでしまう人の割合が、少し減っている可能性があります。超高齢社会の到来とともに、認知症が大きな社会問題となり、認知症を発症する前に早期に予防する考え方が、だんだん広まってきているものと考えられます。私はここに希望を見出したいと思っています。
昔の認知症治療は、現在の状況とは異なっていました。認知症の前段階では保険治療ができないために、「認知症を発症してから治療を始める」ケースが少なからずあったのです。しかし、何度でもいいますが、いったん認知症を発症してしまったら、今の医学でも治すことはできないのです。患者さんやそのご家族のことを本気で考えるなら、「認知症の手前で対策を打ち、認知症を極力発症させないこと」を最優先するべきです。
もちろん認知症にならなくても、人はいずれ老いてこの世を去ります。だとしたら、認知症になって困った状況に陥るのを可能な限り回避できるように、1日でも早く予防に取り組んだほうがいいに決まっています。
そしてできるだけ多くの人が「通常の老化」の範囲で長生きをして、最期まで楽しく、本人も家族も幸せに暮らしていただきたいと願っています。
繰り返しますが、認知症グレーゾーンにいる間なら、戻ってくることができる可能性は十分にあります。希望をもって、「今日」から有効な対策に取り組んでいただきたいと思います。それが認知症に至らないための最良の方法なのです。   (「はじめに」より)

【第1章】「認知症グレーゾーン」のサインを見逃さないために気をつけたいこと
・まずは知っておきたい認知症と認知症予備群について
・認知症グレーゾーンには3つの段階がある
・認知症グレーゾーンの段階なら戻ってくることができる
・認知症グレーゾーンから戻ってくることができる人の共通点
・認知症を引き寄せる7つの要因
・認知症グレーゾーンから戻ってくるために私のクリニックで行っている5つの方法
・認知症を予防する「認トレ(R)」を取り入れよう
・「五感」を刺激して脳を活性化しよう
・認知症予防のためにも「孤立」せずに、人とのつながりを大切にしよう
・笑顔を忘れずに、楽しくコツコツ取り組もう

【第2章】「認知症グレーゾーン」から戻ってくるための30の方法
・まずは少しずつ。できることから始めよう!
・1《生活習慣》「推し活」を楽しむことで脳が若返る
・2《生活習慣》「昔話」も効果あり! 家族や友人との「会話」を積極的に
・3《生活習慣》「趣味」をもって、仲間と楽しもう
・4《生活習慣》今日を振り返って「日記」を書く
・5《生活習慣》歯のケアで歯周病を防ぐ
・6《生活習慣》毎晩5時間以上熟睡する
・7《生活習慣》認知症サポート医に相談する
・8《生活習慣》早めのチェックが肝心。MCI検診を受ける
・9《食事》「糖質」を減らす心がけを
・10《食事》「血糖値」の急上昇を抑える
・11《食事》「タンパク質」を増やす
・12《食事》卵を1日に3個食べる
・13《食事》「納豆」を毎日1食以上食べよう
・14《食事》魚をより多く食べる
・15《食事》良質な油を使おう
・16《食事》「腸活」を始めよう
・17《運動》「耳マッサージ」で血流アップ
・18《運動》「深呼吸」で酸素をたっぷり取り込む
・19《運動》「有酸素運動」をしよう
・20《運動》「筋力トレーニング」で下半身を強くする
・21《運動》ふくらはぎポンプアップ(兼かかと落とし)
・22《運動》2つのことを同時にやる
・23《運動》ラジオ体操をする
・24《脳トレ》脳を広範囲に使う「音読」「書き写し」をしよう
・25《脳トレ》脳の進化を助ける「読書」をしよう
・26《脳トレ》ラジオを聞く時間を増やす
・27《脳トレ》記憶の整理をする「エピソード経歴書」を書く
・28《脳トレ》「知力トレーニング(脳トレ)」にチャレンジする
・29《脳トレ》歩きながら「記憶力」と「計算力」を鍛えよう
・30《脳トレ》時間と場所の「見当識」感覚を鍛える