人名事典

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カレル・V・ウォルフレン

 一九四一年オランダ生れ。十八歳より世界各国を巡り、八二~八九年、オランダの「NRCハンデルスブラッド」のアジア特派員。

 現代日本を批判する外国人のなかでも、とくに激しい攻撃をする存在。『日本/権力構造の謎』(早川書房、90年)で注目され、『人間を幸福にしない日本というシステム』(毎日新聞社、94年)が話題となる。日本は「富める国の貧しい国民」のままに留められていると論じた。つまり、日本は「うちひしがれた人々の国」だという。この不幸なシステムは、日本人のもつ惰性から生じると指摘。氏の著作は従来からある「日本批判の集大成」にすぎないともいわれ、その批判はあまりに一方的な感は拭えないが、日本人のネガティヴな面を映してくれる鏡として貴重なのかもしれない。

 著書に『民は愚かに保て』(小学館、94年)がある。

(データ作成:1997年)