人名事典

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サミュエル・ハンチントン

 一九二七年米国ニューヨーク生れ。エール大学卒。シカゴ大学卒。ハーバード大学大学院で博士号取得。国家安全保障会議(NSC)のコーディネーターを務めた。専門は政治学。ハーバード大学教授。

 アメリカ衰退論ともいえるポール・ケネディの『大国の興亡』に反論したのが「文明の衝突」(『フォーリン・アフェアーズ』93年春/夏号)で、日本でも大きな反響を呼んだ。いわく、米欧文明はいまや絶頂期にあり、その優位を保つためには一致団結し、異文明(異教徒)の反攻に注意を怠ってはならない、云々。

 これからの世界政治の争点はイデオロギーや経済ではないとした点は、日米経済摩擦に悩む関係者にとって朗報にちがいないが、もともとコンセプト先行のシミュレーションがおはことの評もあり、一喜一憂するのは徒労か。

 邦訳書に『第三の波-20世紀後半の民主化』(三嶺書房、95年)。

(データ作成:1997年)