人名事典

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ジョセフ・ナイ

 一九三七年米ニュージャージー州生れ。プリンストン大学卒、ハーバード大学博士号取得。ハーバード大学教授。カーター政権で国務次官代理、クリントン政権で国家情報会議(NIC)議長、国防次官補を経て、ハーバード大学大学院学部長(ケネディ政治大学院学長)。

 九五年二月、日米安保の「再定義」をうたう「ナイ・イニシアティブ」によって、東アジアの米軍兵力一○万人を維持する「東アジア戦略報告」を作成。それが九六年四月の「日米安保共同宣言」に直結した。これによって、クリントン政権が掲げた「結果重視」経済戦略が日米の安保関係にまで悪い影響を及ぼしかねないと危惧していた両国の防衛関係者の胸をなでおろさせた。自らもその背景を「日米とも強力な同盟の堅持が、次世紀の国益に決定的に重要と認めた」(『THISIS読売』96年6月号)と語っている。だが、安保の「再定義」に成功したとする関係者も、またいないだろう。

 邦訳書に『不滅の大国アメリカ』(読売新聞社、90年)。

(データ作成:1997年)