人名事典

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丸元淑生

(まるもと・よしお)
 一九三四年大分県生れ。東京大学文学部仏文科卒。出版社経営、雑誌編集長を経て小説家。

 女性週刊誌編集長時代に肝臓を壊すが、医師の教える予防法は「十分な休養」の一点張り。「自分のことは自分で守るしかない」と考え、独学で栄養学を学びはじめる。年間二千本は出るといわれる世界の栄養学論文を読破し、自分なりに吸収したのが、八二年出版の『丸元淑生のシステム料理学』(文春文庫)。以来、つねに最新の栄養学理論を吸収しながら、自身の実践で検証する栄養学ジャーナリズムを展開してきた。食材はもとより、鍋、冷蔵庫の選び方や料理の仕方、ビタミン剤など補助食品の有効な摂取の仕方まで詳細に提案する一方、農業の衰退、家族の崩壊といったマクロな視点からも食事の見直しを説く。いわく、「『何を食べるか?』すべてはこの問いに発するのだ」。

 著書に、『銀杏とサメと賢い食事』(新潮社、93年)、『生命の鎖』(飛鳥新社、92年)ほか。

(データ作成:1998年)