人名事典

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佐藤誠三郎

(さとう・せいざぶろう)
 一九三二年東京都生れ。東京大学文学部卒。同大法学部卒。立教大学助教授を経て、東京大学教授。退官して世界平和研究所研究主幹。埼玉大学大学院教授も務める。

 マルクス主義の洗礼を受けたあと、現実主義の政治・外交論に転身した。中曾根内閣当時、弁護士の欣子夫人とともにブレーンとして協力。評論家としては、切れ味の鋭い座談の名手として知られる。

 湾岸危機当時『中央公論』(90年10月号)に発表した「いまこそ安全保障戦略を転換せよ」では、「日本が『戦後』の惰性から脱却」し、「一人前の国家となる絶好の機会」であるとしたうえで、「政府は日本が集団的自衛権を行使できることを明言し、自衛隊の中東への派遣に踏み切り、併せて自衛隊法の改正に着手すべきである」と主張して注目を集めた。

 著書に『共同研究「冷戦以後」』(共著、文藝春秋、92年)、『日米同盟と日本の戦略』(共著、PHP研究所、91年)、『文明としてのイエ社会』(共著、中央公論社、79年)。

(データ作成:1997年)