人名事典

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俵 万智

(たわら・まち)
 一九六二年大阪府生れ。早稲田大学第一文学部日本文学科卒。高校教師を経て、八九年より創作活動に専念。

 八三年、短歌結社「心の花」に入会。八六年、角川短歌賞を受賞。八七年に第一歌集として編んだ『サラダ記念日』(河出書房新社)は、発売三カ月で百万部を突破する戦後最大級のベストセラーになった。若者でも(だからこそ)感情移入できる現代口語短歌の誕生である。〈「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日〉。作歌の心をこう語っている。「なんでもないサラダのようなものがおいしいだけでも、それを記念日と思える恋ってすてきだな、という気持ち」。俵が再発見して見せたのは短歌の可能性だけでなく生のいとおしさでもあった。九一年には史上最年少の国語審議会委員に。

 著書に歌集『かぜのてのひら』(河出書房新社、91年)ほか。

(データ作成:1997年)