人名事典

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加藤秀俊

(かとう・ひでとし)
 一九三○年東京都生れ。一橋大学卒。京都大助教授になるが、七○年大学紛争で辞職。ハワイ大教授、学習院大教授を経て、評論家に。

 現代社会の変動、マスコミ論、世相論、大衆文化論を論じる行動派の社会学者。大学紛争への関わり方、リースマン『孤独な群衆』の翻訳が、論壇の寵児に押し上げた。『Voice』(96年5月号)では、日本の漫画がなぜパリの若者の心をとらえているか、比較文明論を展開した。氏はここで「擬人化」の伝統に言及、日本漫画の擬人化の伝統がたんなる動物一般だけでなく無機物にまで及んでいることに注意を喚起した。最近では差別語について「われわれは言論の自由を行使しているのか。メディアは自縄自縛的自主規制をやめよう」と強調する。

 著書に『「見物」の精神』(PHP研究所、90年)、『習俗の社会学』(同、91年)など。

(データ作成:1997年)