人名事典

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坂本春生

(さかもと・はるみ)
 一九三八年東京都生れ。東京大学経済学部卒。通産省に入り、大臣官房企画室長、北海道通産局長を歴任。

 下火になった価格破壊だが、「一時的な価格競争で起ったというよりは、仕入れ値や流通コストから小売価格を決定する構造的な値決めが変ってきたためであり、内外価格差があるかぎり続く」と分析する。官僚時代の海外生活で「日本は、生活基盤的なものは高く、趣味的・選択的なものが安い。住みにくい物価体系だ。食料品、エネルギー、住宅関連に内外価格差が大きい」と実感。たしかに平成不況のなかでも、選択的消費の比率、いわゆる「ゆとり係数」は九三年まで落ちなかったという。だから、価格破壊とゆとりの共存が、個人の消費状況を変化させていると見る。

 実質所得を増やしますという「生活防衛宣言」の意味で、独自の西友物価指数を考えだした知恵者である。

(データ作成:1999年)