人名事典

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宮崎義一

(みやざき・よしかず)
 一九一九年大阪府生れ。東京商科大学(現・一橋大学)卒。横浜国立大学助教授、教授、京都大学経済研究所教授を歴任。

 日本および世界の経済分析に多くの業績をあげてきたわが国の代表的経済学者。最近は『複合不況』(中公新書、92年)において、バブル以降の不況を分析し、不況と金融自由化による信用不安の結合した「複合不況」であると主張、この言葉は流行語にもなった。世界金融の自由化に、経済の「カジノ的性格」をみて、その危険性を指摘。ケインズ主義的立場を堅持し、もはや世界金融においてもコントロールの仕組みが必要だと論じている。ケインズ経済学全盛のころ、伊東光晴氏との共著『コメンタール ケインズ一般理論』を齧ったことのある学生は多いであろう。

 著書に『複合不況』(中公新書、92年)、『国民経済の黄昏』(朝日選書、95年)などがある。

(データ作成:1997年)