人名事典

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山口昌男

(やまぐち・まさお)
 一九三一年北海道生れ。東京大学文学部卒、東京都立大大学院博士課程修了。アフリカで人類学的調査を重ねたのち、東京外国語大アジア・アフリカ言語文化研究所教授を経て、札幌大学教授。

 ナイジェリア、インドネシアなどでのフィールドワーク(現地調査)から編み上げた「中心と周縁」、道化の役割に注目した「トリックスター」など、七○年代に「知」のキーワードと文化理論をひっさげて登場。「ニューアカデミズムの祖」とも呼ばれる。

 農本主義的な視点から「都市の解体」を訴えつづけ、「アーバニゼーション(都市化)からルーラリゼーション(田舎化)へ」が最近のキャッチフレーズ。高消費現代社会への反省が込められ、自然と共生するシンプルライフを提唱する。学際的研究が得意で、独自の大学廃止論も主張。

 著書に『「挫折」の昭和史』(岩波書店、95年)など。

(データ作成:1997年)