人名事典

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後藤田正晴

(ごとうだ・まさはる)
 一九一四年徳島県生れ。東京帝国大学法学部卒。内務省入省、自治省官房長、警察庁長官、内閣官房副長官。衆院選(徳島全県区)に当選、以来連続当選七回。官房長官、副総理兼法相などを歴任して、現在の自社さ連立政権では後見人的存在。その辣腕ぶりは「カミソリ」の異名をとる。

 九三年法務大臣として、長く懸案のままになっていた既決の死刑囚に死刑執行命令を出すなど、元内務官僚としての面目を示す一方で、戦後憲法体制が「蟻の一穴」から崩れかねないと危惧する護憲派。八七年のイラン・イラク戦争では、中曾根内閣の官房長官として日本の掃海艇派遣に反対、「海外の武力行使だけは断じて認めるわけにいかない」として自衛隊の「参戦」を中止させた「業績」がある。

 著書『政と官』(講談社、94年)、『内閣官房長官』(同、89年)、『政治とは何か』(同、88年)。

(データ作成:1997年)