人名事典

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徳田博美

(とくだ・ひろみ)
 一九二一年東京都生れ。東京帝国大学法学部卒。大蔵省に入り、大阪国税局長、大臣官房審議官、銀行局長を歴任。野村総合研究所理事長を経て金融システム総合研究所長。

 一九九○年代前半に大議論の末に導入された銀行の自己資本比率規制、BIS(国際決済銀行)規制は銀行経営の健全性をかならずしも保障するものではなく、むしろ日本の銀行の国際競争力強化の阻害要因になっている可能性さえあると指摘する。「一国の銀行の信用供与の伸び率が国民経済的必要性とは全く別個の銀行の収益の増加率によって規制される。これはマクロ経済的な見地からみれば非常におかしなセオリーである」(『週刊東洋経済』92年7月4日号)として、むしろ銀行経営の健全性からいえば、総資産に占める不良資産比率、流動性資産比率などがはるかに重要であると指摘。再検討すべき重要課題である。多くの情報網と鋭い分析力をもつ異才の人である。

(データ作成:1997年)