人名事典

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杉山隆男

(すぎやま・たかお)
 一九五二年東京都生れ。一橋大学社会学部卒。読売新聞社記者を経て、ノンフィクション作家。

 八六年、「構想三年、執筆一年半」を費やした『メディアの興亡』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。コンピュータによる技術革新にいち早く取り組んだ日本経済新聞社とIBMの苦悩を描いたもので、「十年に一人の逸材」(柳田邦男氏)と絶賛された。また、九五年に出版した『兵士に聞け』(新潮社、新潮学芸賞受賞)は、全国各地の自衛隊員に密着して取材し、隊員個々の思いに直接触れた貴重な記録。PKO問題や憲法九条論議が直接の当事者である自衛隊員を無視して進行する状況のなか、「戦後五十年という年月を偽善的に過ごしてきた私たちの戦後を告発する記録でもある」(阿部謹也氏)。作品がそのまま優れた現代批評となる、数少ない本格的なノンフィクション作家。

(データ作成:1997年)