人名事典

>> 検索トップへ

草柳大蔵

(くさやなぎ・だいぞう)
 一九二四年神奈川県生れ。東京帝国大学法学部卒業後、ジャーナリストとして活躍。現在、評論家。

 戦後を代表するジャーナリスト。活躍の範囲は広いが、一貫して、いまある日本はいかにして形づくられたのか、という問いを維持しつづけてきた。たとえば『特攻の思想』(文藝春秋、72年)では戦中の日本人の精神構造を解き明かそうとし、『実録満鉄調査部』(朝日新聞社、83年)では、奇跡のごとく戦前に生れた頭脳集団の興亡を描き、われわれの時代との連続性を探ろうとする。失われたかに思われるかつての日本人の営みを再生させる試みであるといえよう。膨大な資料のなかから氏が選びだし再構成した事実が、現在のわれわれにとって示唆に富み魅力があるのはそのためだ。

 著書に『内務省対占領軍』(朝日文庫、87年)、『日本解体』(ぎょうせい、85年)ほか多数。

(データ作成:1997年)