人名事典

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諸井 薫

(もろい・かおる)
 一九三一年東京都生れ。早稲田大学文学部中退。河出書房に入社。いくつかの出版社で編集長を歴任。現在、エッセイスト、作家。

 豊かな歴史的素養と文学的センスから、日本社会についての批評を行う。一言でいって、氏は妙に力こぶのはいったこと、洒落ていないこと、筋の通っていないことが嫌いなのだ。それが政治論になればイデオロギー的なものを批判し、一方的な官僚バッシングなどに対しては疑義を呈し、政治家の勝手な政治改革論など「聞く耳もたない」ということになる。サマータイムなどという「アメリカ追随」の馬鹿馬鹿しい制度導入の話を嗤い、アメリカ型経営がやっぱり良いという意見が出てくれば、「業績が悪いと首が飛ぶアメリカ型など日本人サラリーマンは嫌に決まっている」と断じる。氏には出版人・本多光夫(本名)としての顔もあり、『週刊女性』『家庭画報』『プレジデント』など数々の大雑誌を成功させてきた実績がある。

 著書に『男の止まり木』(文春文庫、88年)、『恋愛相談』(文春文庫、91年)がある。

(データ作成:1998年)