人名事典

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黒澤 洋

(くろさわ・よう)
 一九二六年東京都生れ。東京大学法学部卒。日本興業銀行に入り、頭取を経て日本興業銀行会長。

 国際畑が長く、国際金融、為替、旧ソ連・東欧や途上国の債務問題について一家言をもつ。九○年六月の頭取就任にあたっては、金融自由化と国際化の流れのなかで、法人取引主体の事業金融の専門家集団の充実を図るという目標を掲げた。しかし、六年間の在任期間中、バブルの処理とリストラに追われ、国会に参考人として呼ばれること二回、金融機関の代表として釈明に努めた。九三年の金融制度改革法の施行により、証券業務に子会社・興銀証券を進出させ、普通社債の引き受けで四大証券に次ぐシェアを確保するまでに成長させた。産業金融の雄たる興銀本体が優良企業と長期取引をしているという歴史があるためでもあるが、興銀の進むべき基盤をつくりつつある。バブル処理でもまれた国際派バンカーの本領発揮はこれからである。

(データ作成:1998年)