人名事典

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C・W・ニコル

 一九四○年英国サウスウェールズ生れ。八○年日本永住権を取得。

 日本の自然の「驚くべき多様性」に引かれて日本に住み着いたニコルの目に「いまの日本は、自然の限界を超え国民の願いを置きざりにして自然をコントロールしようとしている」と映る。水は地下水にいたるまで汚染、森は切り倒され、海岸はコンクリートに埋められた。この人によると縄文人は自然を破壊しない漁の知恵をもっていたという。ニコルは日本の人間社会にも多様性を求める。『プレジデント』(95年8月号)「ニッポン国籍取得闘争でわかったこと」で、この均質社会のなかの「ガイジン」受け入れの壁を「告発」している。

 著書に『冒険家の食卓』(角川書店、81年)、『風を見た少年』(講談社文庫、87年)ほか。

(データ作成:1997年)