人名事典

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藤正 巌

(ふじまさ・いわお)
 一九三七年東京都生れ。東京大学医学部卒。同医用電子研究施設で人工心臓研究を開始。同助教授、埼玉大大学院教授を経て、東京大学教授(先端科学技術研究センター教授)。

 八六年から通産省プロジェクト「マイクロマシン」の立案、推進に参画する。現在は厚生省の「医療用マイクロマシン・プロジェクト」を推進。氏の造語「マイクロマシン」はいまや世界の共通語。現在は一ミクロンの壁に挑戦。産業用ロボットや医療システム分野での応用の可能性に大きな期待がかかる。現在は実現していない人工心臓の体内埋め込みには、より小さな部品が必要との発想から生れた、極小の機械の原理を探る中間領域機械学を提唱。根底には「生物が機械である部分」を究めようとする「生物機械論」の哲学が一貫してある。将来的には臓器移植ではなく人工臓器を本命視する。

 著書に『見えない機械』(オーム社、94年)ほか。

(データ作成:1997年)