人名事典

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なだいなだ

 一九二九年東京都生れ。慶應義塾大学医学部卒。

 慶應病院や国立療養所久里浜病院に勤務する傍ら、小説・エッセイ・評論を発表。六五年、『パパのおくりもの』(現在、ちくま文庫)でその名を知られるようになった。六九年からはTBSラジオ「こども電話相談室」を担当。精神医学と反戦平和主義をミックスした観点から、とくに現代人の人間関係を題材とするエッセイ、寓話創作に力を注ぐ。幼女連続誘拐殺人事件をめぐっては、世代的な問題を指摘。全共闘世代よりあとの「やさしい若者」世代は、「傷つくのを恐れる」あまり強いものにはやさしく弱いものには残酷になる傾向があり、それが凶悪な犯罪を生んだ、と指摘した。

 著書に『20世紀とは何だったのか』(共著、朝日新聞社、92年)など。

(データ作成:1998年)