人名事典

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ポール・ケネディ

 一九四五年英ノーサンバーランド・ウォールセンド生れ。ニューキャッスル大学卒。オックスフォード大学で博士号取得。米プリンストン大学高等研究所上級研究員などを経てエール大学国際安全保障部長。

 冷戦が崩壊する直前、米ソ二極体制の終焉と、世界システムにおける日本と中国の重要性を予言した『大国の興亡』(88年)は、世界的大ベストセラーになった。『THISIS読売』(96年2月号)のインタビューでは、「十年先のアジア太平洋は中国がキー・プレーヤーになるが、行動は予測はつかない」と指摘、米国の本音は「北朝鮮の崩壊以外、アジアがじっとしていてくれる」ことと、正直に現状維持優先が米国外交の趨勢であることを認めた。知的誠実さに好感がもてる。

 邦訳書『二十一世紀の難問に備えて』(草思社、93年)、『大国の興亡』(草思社、88年)。

(データ作成:1997年)