人名事典

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中森明夫

(なかもり・あきお)
 一九六○年三重県生れ。明大中野高校を中退して編集者、エッセイスト。

 元祖・新人類。八三年、ミニコミ誌『東京おとなクラブ』創刊。『宝島』『GS』『朝日ジャーナル』やNHK教育テレビ「YOU」などで新人類の感覚を披露した「誌上パフォーマンス」を繰り広げ若者の人気をつかむ。幼女連続誘拐殺人事件の際には、これを世代の問題として受け止め、大塚英志氏とともに「Mの世代」の意見を取りまとめ話題を呼んだ。森毅氏は書評でこう評している。〈「識者」がこれらを「少年の物語」としたがるのに反して、彼らが「少女の物語」へ視線をずらしていくところに、時代の鍵があるのかもしれぬ。……彼らMの世代の物語を、他の世代が読むことができるかどうか、それは現代にとってとても重要な問題のような気がする〉。論壇がオウムに向ったあとも、中森氏は「少女の物語」の解読を続けている。全体を語らず断片を映し出すストイックでモラリッシュな新人類の旗手。

 著書に『Mの世代』(共著、太田出版、89年)など。

(データ作成:1998年)