人名事典

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丹下健三

(たんげ・けんぞう)
 一九一三年愛媛県生れ。東京帝国大学建築学科卒。同大教授を経て、丹下健三・都市建設設計事務所を主宰。

 日本建築学界の重鎮。東京五輪プール、東京都庁超高層ビルなど「話題作」を数々手掛けた。丹下のきらめく才能に、浅田孝、磯崎新、黒川紀章ら日本建築界の俊英が集い、そして巣立っていった。その丹下氏が六○年代当初に発表したのが「東京計画・1960年」だ。情報化社会に耐えうる都市構造を目標に、平面交差が起きないような交通体系の整備と東京臨海開発が計画の中心。従来の都市計画の常識を超えたスケールだった。そして十数年後、『中央公論』(87年1月号)誌上で「世界都市東京に向かう大改造」と題して再び東京大改造計画をぶち上げる。「東京を世界の中心都市にするのは国民にまだ活力が残っている今世紀しかない」。さらに十年、バブル崩壊後の東京は、臨海開発が暗礁に乗り上げ、スプロール化現象はいっそう進む。世界的建築家はいまの東京をどう捉えているのか。

(データ作成:1997年)