人名事典

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京極純一

(きょうごく・じゅんいち)
 一九二四年京都府生れ。東京大学法学部政治学科卒。同大法学部教授、千葉大教授、東京女子大学長を歴任。年金審議会会長を務める。

 実証分析、統計分析を取り入れた方法論によって戦後日本の政治を分析。戦後の近代政治学の先駆的存在。戦後の日本を「戦前の国体信仰が民主主義信仰に入れかわって、民主主義の実践がない」、政治は「色と欲」で動いてきたと喝破。民主主義によって天国が実現することはないが、民主主義は人類がいままでに経験した政治方式のなかでは相対的にましだと論じる。しかし、日本の政治文化は民主主義の前提となる個人の自由な自立という面で弱いと指摘。日本型政治について語る際には、氏の説を参照せずに済ますことはできない。

 著書に『日本の政治』(東京大学出版会、83年)がある。

(データ作成:1997年)