人名事典

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坂東眞砂子

(ばんどう・まさこ)
 1958年、高知県生まれ。奈良女子大学住居学科卒業。大学卒業後、イタリア・ミラノに2年間留学。1982年から87年、童話雑誌「のん」に童話を発表。児童文学作家として知られていたが、1993年、『死国』(角川文庫)を発表。日本の土俗的恐怖を描いたホラーとして注目される。

 以後、類い希な筆力と、体に染み込んでいるかのような描写力で同系統の怪奇小説・伝奇小説を発表し続け、人気を博する。一方、もう一つの重要なモチーフである男女の恋愛を描くことにも注力、『桃色浄土』『桜雨』などを著す。1997年、『山妣』で第116回直木賞を受賞。その他の著書に紀行文『ミラノの風とシニョリーナ』、童話『クリーニング屋のお月さま』『はじまりの卵の物語』、そして『狗神』『蛇鏡』『蟲』『屍の聲』『身辺怪奇』『旅涯ての地』など。徐々に作風が変わりつつあるようで、要注目の作家の一人である。

(データ作成:1998年)