人名事典

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小田 晋

(おだ・すすむ)
 一九三三年大阪府生れ。東京医科歯科大学大学院神経精神医学専攻博士課程修了。東京医科歯科大学助教授などを経て筑波大学教授。専攻は精神衛生学、精神病理学。

 非類型的な犯罪が起るたびにコメンテーターとしてメディアに引っ張りだされる。日航機羽田沖墜落事故の際の機長の精神鑑定も担当した。新聞に載せられる短いコメントからは“精神異常の認定官”といった印象をもたれ損をしているが、著書では、文化人類学や民俗学の知見も踏まえて、歴史的、比較文化的な広い角度から、狂気や社会病理について論じているのが味わえる。過剰な感傷を排した乾いた筆致で、人間存在の謎にメスを入れる。

 著書に『モーツァルトの目玉焼き』(はまの出版、95年)、『精神変容のドラマ』(青土社、94年)ほか。

(データ作成:1997年)