人名事典

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平山郁夫

(ひらやま・いくお)
 一九三○年広島県生れ。東京美術学校卒。日本美術学院理事、東京芸術大学長を経て、日本美術院理事長。文化功労者。

 いまは滅びゆく遺跡の保存に自らの人生をかける。文化財赤十字構想を提唱する。遺跡修復を通じて文化や民族の誇りを取り戻してもらう。金はばらまいても一部の人にしかいかない。それよりも精神的に皆に行き渡るようにする。日本文化の源流を探るためにもアジアの遺跡修復の手伝いには意味があるという。

 『経済界』(95年9月12日号)「シルクロードを語ろう」では、「紙や絹の絵も弱いけど百年に一回ずつ解体修理を行えばきちんとなるんだという継続、継承の文化が日本文化の伝統」と話す。これは万里の長城や大型ジャンボ機をつくるのとは違う文化。文化財赤十字はこれを外国の人の手で修復してもらう。そこに日本文化発信のチャンスがあるという。

 著書に『画集 大和路を描く』(中央公論社、88年)、『平山郁夫 絹の道から大和へ』(講談社、92年)、『平山郁夫 日本画のこころ』(同、95年)など。

(データ作成:1997年)