人名事典

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柄谷行人

(からたに・こうじん)
 一九四一年兵庫県生れ。東京大学経済学部卒。同大学院人文科学研究科英文学専攻修士課程修了。群像新人賞などを受賞して評論活動に入り、法政大学教授。

 七○年代後半以降、若者の知的指導者として知られる。九一年二月、湾岸戦争の多国籍軍に日本の参加が検討された際、「日本国家が戦争に加担することに反対する」との文学者の声明を故中上健次氏らとともにとりまとめ、「平和憲法を積極的な原理として表明しうるチャンス」と主張(『文藝春秋』91年4月号)、一躍「護憲論者」として外交論壇にデビューした。

 太平洋戦争の敗戦によって日本は西洋よりも五十年早く「歴史の終焉」を経験した、という集団的ヒロイズムはたしかに耳に心地よい。

 著書『探求1、2』(講談社、86-89年)、『日本近代文学の起源』(同、80年)、『マルクスその可能性の中心』(同、78年)。

(データ作成:1997年)