人名事典

>> 検索トップへ

海野 弘

(うんの・ひろし)
 一九三九年東京都生れ。早稲田大学文学部卒。平凡社勤務、『太陽』編集長を経て、美術評論家。

 ヨーロッパ世紀末美術の一潮流であるアール・ヌーボーを鋭く捉えた『アール・ヌーボーの世界』(中公文庫、87年)で注目される。その後、八○年代まで映画、写真、建築と幅広い分野で芸術文化論を展開。最近は鋭い感性で現代風俗論を展開、一方『ヨーロッパ・トイレ博物誌』(INAX、90年)など風俗・博物史をたどり、さらに美術評論が発展、都市に視野が広がる。基調にあるのは、そこに生きる生活者への好奇心。ヒューマンな都市論は姿を変え、いまや成熟の域に達した。

 著書は『モダン都市周遊』(中央公論社、85年)、『四都市物語』(冬樹社、90年)など。

(データ作成:1997年)