人名事典

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竹内 啓

(たけうち・けい)
 一九三三年東京都生れ。東京大学経済学部卒。同大大学院博士課程修了。同大助教授、教授を経て、明治学院大学教授。

 専攻は数理統計学。ポスト冷戦で共産主義が解体、歴史の終焉と西側ははやし立てるが、ほんとうに世界経済はよくなるのか。『新潮45』(95年8月号)の竹内論文「資本主義のハルマゲドン」はショッキングな内容。社会主義は風前の灯、しかし資本主義が永遠に不滅と考えるのもおめでたい。中国、インド、アフリカが高度成長の道を歩むときを憂える。竹内は米国を模範とする大量生産、消費型のシステムを根本的に見直し、自然調和型にすることが急務だという。『諸君!』(92年7月号)「地球サミットの地球延命効果」でも「環境か成長かの問題設定は無意味。経済成長は不可能なのだ」と警鐘を鳴らす。ポスト冷戦は、資本主義の勝利ではなく、終りの始まりだったということか。

 著書に『地球を考える』(編著、三田出版会、92年)ほか。

(データ作成:1997年)