人名事典

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米本昌平

(よねもと・しょうへい)
 一九四六年愛知県生れ。京都大学理学部卒。証券会社就職後、独学で科学史を研究。現在は三菱化成生命科学研究所社会生命科学研究室長。

 研究テーマは先端医療などにともなう生命倫理(バイオエシックス)問題に加え、最近は環境問題での発言が目立つ。冷戦崩壊後の新世界秩序イデオロギーは「地球環境問題を正面にすえた生態学的文明論以外にない」が持論。日本の環境政策の未成熟さを指摘、環境外交の推進と包括的政策の立案を提言する。もともとの研究分野である生命倫理は医療、哲学、政治などの領域枠を超えた命の総括的研究。患者の人権を尊重する「自己決定」を基本原理とするが、日本では「先端医療が日本的心情と不調和現象を起し」、こうした問題に「拒絶的」と批判的。

 著書に『先端医療革命』(中央公論社、88年)など。

(データ作成:1997年)