人名事典

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米沢富美子

(よねざわ・ふみこ)
 一九三八年大阪府生れ。京都大学理学部卒、同大大学院博士課程修了。京大助教授を経て、慶應義塾大学教授。

 アモルファス(非結晶物質)研究で世界の第一人者。物理学の新分野「コンプレックス・システムズ=複雑系」にも取り組む。不規則系の基礎理論を確立、応用面では太陽電池用のアモルファス・シリコンの研究でコンピュータ・シミュレーションにより生産工程で水素ガスの代りにフッ素ガスの使用の可能性を指摘、コストダウンの道を模索する。一方、プラトン以来の要素論的アプローチでなく、結果としての全体現象を研究するコンプレックス・システムズでは、液晶の構造研究に取り組んでいる最中。将来的には生命・生体の物理的解明という壮大な研究にも意欲的だ。三女の母。学会などにも同伴し「子連れオオカミ」のあだ名も。

(データ作成:1997年)