人名事典

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茅 陽一

(かや・よういち)
 一九三四年北海道生れ。東京大学工学部卒。同大大学院、助教授、教授を経て、慶應義塾大学教授。

 ローマクラブ本部の日本人会員六人のうちで最年少。地球温暖化対策で重要な論点を提起している。東大紛争時に学生側委員を務めた骨太さが身上。九二年には自民党軽井沢セミナーで講師もした。エネルギーと環境の関係について効率性、経済性、環境適応性の3Eを提唱、「日本のような土地希少な国では太陽発電が高くつく。天然ガス利用や炭酸ガス回収・貯蔵、太陽電池、燃料電池、ガスタービン」といった分散型電源の導入を勧めている。茅は机上の空論を嫌う。省エネにはエネルギー課税の強化など何らかの動機づけが必要だと明言。並行してエネルギー利用効率を高めるシステム技術を普及すべきだ、と環境科学の第一人者は語る。

 著書に『現代社会とエネルギー』(編・東京大学出版会、83年)、『世界モデルに未来をよむ』(三田出版会、90年)。

(データ作成:1997年)