人名事典

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貴志祐介

(きし・ゆうすけ)
 1959年、大阪市生まれ。京都大学経済学部卒業。生命保険会社勤務後、フリーに。多重人格を扱った『ISOLA』で第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作受賞。同作は『十三番目の人格─ISOLA─』(角川ホラー文庫)として出版され、作家デビュー。続けて一年後に生保勤務体験を生かし、生命保険会社の査定主任を主人公にしてサイコパスを扱った『黒い家』(角川書店)で、第4回日本ホラー小説大賞長編賞大賞を受賞。非常に高い評価を受ける。その後刊行した『天使の囀り』(角川書店)もホラー界のみならず、読書界全体の評価は極めて高い。

 登場人物の確固とした実在感、丁寧な筆致、緻密な取材、巧みな伏線の張り方、緊迫感溢れる構成など、小説を書く技量も筆力も、作を重ねるごとに上昇しており、注目すべきエンターテイメント作家の一人である。これからも新たなジャンルにどんどん挑んでくれることを期待してしまう。

(データ作成:1999年)