人名事典

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鈴木 明

(すずき・あきら)
 一九二九年東京都生れ。立教大学文学部卒。出版社勤務を経てTBS入社。現在、ノンフィクション作家。

 一九三七年の南京事件をあつかった『「南京大虐殺」のまぼろし』(文藝春秋、73年)で第四回の大宅賞を受賞、大論争を巻き起す。同書では、いわゆる南京大虐殺において行われたとされる「百人斬り」が事実ではなかったことを証明し、「大虐殺」自体の信憑性にも疑問を投げかけた。これに対して本多勝一氏などが反論、「虐殺派」「まぼろし派」「中間派」入り乱れての論争がつづいた。「まぼろし派」元祖としての名が高いが、氏には『リリー・マルレーンを聴いたことがありますか』や、幕末の一枚の写真から日仏交流の秘められた歴史を追った『追跡』(集英社、84年)などの佳作がある。

 著書に『ジャーナリズムの原点はゴシップである』(マゼラン出版、92年)がある。

(データ作成:1997年)