人名事典

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関川夏央

(せきかわ・なつお)
 一九四九年新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。

 八四年の『ソウルの練習問題』で、若者達の異文化コミュニケーションをテーマにして「韓国ブーム」の先駆的な役割を担う。さらに『諸君!』に連載した「知識大衆諸君!これも漫画だ」においては、すでに「知識」のなかに入り込んだ高度化した漫画表現について論じた。

 自ら漫画の原作を執筆し、漫画家・谷口ジローとの作品『「坊っちゃん」の時代』(双葉社)全五巻は八五年から十二年にわたって書き続けられ、九三年に日本漫画家協会賞、九八年に手塚治虫文化賞を受賞。

 ひとつひとつの仕事に細密な調査を行って、ていねいに仕上げることで定評がある。それは漫画の原作においても同じで、『「坊っちゃん」の時代』の詳細な下調べに感動する漫画ファン・文学ファンは多いはず。現在、『諸君!』に連載の「映画館にいる戦後」は「吉永小百合という『物語』」の章だけで、三十数回を数える。

 代表作に、講談社ノンフィクション賞を受賞した『海峡を超えたホームラン』がある。

(データ作成:1999年)