マーティン・ピストリウス『ゴースト・ボーイ』

「ゴーストボーイ」について

「ゴーストボーイ」について

1988年、12歳のマーティン・ピストリウスは原因不明の病気になった。
18 か月後には、口もきけず、車椅子に座らされていた。
医師たちは首をかしげ、両親に告げた。
退行性の未知の病で、息子さんの心は赤ん坊に戻ってしまった、と。
誰も知らなかったのは、身体こそ無反応なままだったけれど、
マーティンの心はゆっくりと目覚めていったこと。
だけど、それを誰にも伝えられないこと。

彼は自分の身体の中に閉じ込められた、囚人だった。
10年経った頃、あるセラピストが気づいた。
マーティンの一部が目覚めていることに。
そして両親も、息子の知性が少しも損なわれていないことを理解した。
病に倒れる前の記憶を一切持たないマーティンは、
見知らぬ世界によみがえった「大人こども」だった。
なおも車椅子に座り、話すことはできないものの、
コンピューターテクノロジーの分野で、素晴らしい才能を発揮し始める。
その後、あらゆる困難を乗り越えて恋に落ち、結婚し、ウェブデザイン事業を立ち上げた。

少年の頃に病に倒れたマーティンが人生を取り戻し、
人より遠回りしながら大人になるまでの、感動の実話。

心が震える、真実の物語


元気な少年だったマーティンが病に倒れてから20年。

想像を超える困難を乗り越え運命の女性と結ばれた時、
マーティンの身体はわずかながら回復し、素敵な笑顔を浮かべられるようになっていた。

  • マーティンが“普通だった”頃の最後の一枚。両親と、妹、弟と一緒に。

    マーティンが“普通だった”頃の最後の一枚。両親と、妹、弟と一緒に。

  • マーティンと父ロドニー。この偉大なお父さんの愛情は涙なしには読めない。

    マーティンと父ロドニー。この偉大なお父さんの愛情は涙なしには読めない。

  • 機器の力を借りてコミュニケーションを取り戻したマーティン。イスラエルの国際会議でプレゼンも。

    機器の力を借りてコミュニケーションを取り戻したマーティン。イスラエルの国際会議でプレゼンも。

  • マーティンと運命の女性ジョアナ。恋に落ち幸せそうな笑顔の2人が結ばれるまでにもドラマが

    マーティンと運命の女性ジョアナ。恋に落ち幸せそうな笑顔の2人が結ばれるまでにもドラマが

  • 数々の困難を乗り越え、婚約したマーティンとジョアナ。ロマンティックなプロポーズのシーンはまるで映画のよう!

    数々の困難を乗り越え、婚約したマーティンとジョアナ。ロマンティックなプロポーズのシーンはまるで映画のよう!

  • 結婚したばかりの2人。マーティンの遥かな冒険の旅路のゴールであり、新たなスタートである。

    結婚したばかりの2人。マーティンの遥かな冒険の旅路のゴールであり、新たなスタートである。

「ゴーストボーイ」について

著者 マーティン・ピストリウス

1975年、南アフリカ ヨハネスブルグ生まれ。
12歳のとき未知の病にかかり、車椅子生活に。
口もきけなくなり、介護施設で 14年間を過ごす。
2001年、パソコンでコミュニケーションが取れるようになり、友達ができ、人生が変わる。
2008 年、生涯の伴侶となるジョアナと出会い、英国に移住。
2009年に結婚、2010 年に起業を果たす。
自らを「冗談好きのテクノロジーおたく」と評する。
動物が大好きで、写真を撮ることに夢中。
クリケットや F1グランプリの観戦、映画鑑賞、音楽鑑賞も趣味で、
友達、とくに妻と一緒に過ごす時間をこよなく愛している。

本書より、「箱に閉じ込められるということ」


Profile 著者 マーティン・ピストリウス

 ほかの人たちにとって、ぼくは鉢植え植物みたいなものだった。水を与えられ、部屋の隅っこにちょこんと置かれている。みんな、ぼくがいないことに慣れきっていたから、ぼくが戻ってきても気づかなかったのだろう。

 要するに、ぼくはずっと昔に「箱」に入れられたのだ。実は、誰もが箱に入れられている。あなたは「扱いにくい」子だろうか? それとも「ヒステリックな」恋人? 「理屈っぽい」兄弟かもしれないし、「辛抱強い」妻かもしれない。箱に入れて分類するとわかりやすいけれど、箱は牢獄と同じだ。みんな枠の中でしか、その人を見なくなる。

 ぼくらはみんな、お互いに対する固定観念を持っている。たとえ真実が、自分が見ているつもりのものとかけ離れていても。だから誰も「どういう意味?」と考えてくれなかったのだ。ぼくの症状が改善されて、「紅茶を飲みたい?」のような単純な問いかけには、頭の向きを変えたり微笑んだりして、答えられるようになっていたのに。

 ぼくと会うほとんどの人にとって、ぼくは「仕事」に過ぎなかった。いつもの介護施設のスタッフにとっては、長年そこにいる、とくに気を留めることもない常連さん。両親が遠出するときに預けられる別の施設の介護士にとっては、通りすがりの患者に過ぎない。ぼくを診察する医師にとっては、「ロクに何もできない人」。これはある先生がX線の透視台にヒトデみたいに横たわるぼくを見て、同僚に放った思い出深いひと言だ。

 一方、両親はフルタイムで働き、ぼくのほかにも2人の子どもたちの世話をしながら、ぼくのオムツ替えから足の爪切りにいたるまで、すべてをこなしていた。ぼくの日常的なケアにかなりの時間とエネルギーを取られていたから、立ち止まって考えなかったとしても不思議ではない。「この子は医学の常識を覆して、奇跡としか言いようのない回復を見せているんじゃないか?」なんて……。

 そういうわけで、ぼくはずいぶん昔に入れられた箱の中にとどまっていた。その箱にはただひと言、「木偶(でく)」と書かれていた。

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ゴーストボーイ

12歳の時に難病発症、10年以上を植物状態で過ごした著者。
しかし彼には、意識があった。世界中でベストセラー、驚異と感動の自伝!

著者
マーティン・ピストリウス
ミーガン・ロイド・デイヴィス
訳者
長澤あかね
定価
本体価格 1,800 円+税
判型
四六判上製
ISBN
978-4-569-82709-4

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